年末年始「丁寧」を意識すると最高に充実する理由 人生の質を「爆上げ」する方法

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コーヒー好きの人は、ミルで「ザザザ~」と豆をひく音を楽しみながら、お湯をじっくり注ぎ、そこから立ち上がってくる香りに至福を感じてはいないでしょうか?

温泉好きの人は、湯につかる瞬間から足で温度を感じつつ、湯の肌触りや体がほぐれていくのを味わいながら、「あ~、極楽だ~」と笑顔になっていませんか?

サウナ好きの人は、熱や流れる汗を感じつつ、その汗をシャワーで流す気持ちよさ、水風呂での冷たさを肌で味わい、そのセットを丁寧に繰り返すことで深い陶酔感にひたっていないでしょうか?

猫好きの人は、猫の顔や頭をなでたり、毛並みや触り心地を味わったりしながら、「あ~うちの子って、ほんとかわいい」と幸せを堪能していないでしょうか?

――実は、これらもすべて「丁寧道」です。つまり、日々の中で普段は流れ作業で済ませていることを「視覚」「聴覚」「触覚」「味覚」「嗅覚」をフル稼働させて味わうことが、「丁寧道」なのです。

人を“幸せゾーン”に導く「丁寧」のすごさ

実際試してくださった方に聞きたいのですが、丁寧に味わってみた感覚はいかがだったでしょうか?

ビールを「くぅ~」と丁寧に味わったその瞬間に、「年明けからの仕事が……」という考え事が同居していた人はおそらくいなかったはずです。

そう、「丁寧道」は目の前のことを味わい尽くすことで、自分自身を過去や未来に対する思考の世界の中ではなく、「今この瞬間」にいられるようにしてくれるのです。

考えてみれば、心配や悩みというのは、いつだって過去への後悔や未来への不安といった「自分にはないもの」に焦点を当てさせるもので、それがネガティブな思考をもたらします。このネガティブ思考の無限ループが人に幸せを感じさせてくれなくしているのです。

一方、「丁寧道」は現在目の前に存在するものに焦点を当てるので、「自分にあるもの」に意識が向き、これまで漫然と過ごしていて気づけていなかった「食べ物のありがたみ」「人の優しさ」等々に敏感になり、感謝の念が湧きやすくなります。

そして、そんな感謝の思いが増えると、気持ちよさや喜び、静かな感動が自然と湧きあがりやすくなる反面、自分の思考が過去や未来にネガティブに飛んでいる「心ここにあらず」状態を脱することもできるのです。

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