北京冬季五輪「外交的ボイコット」巡る重要な論点 自民・佐藤氏「日本は疑念を持たれてはいけない」
以下、番組での主なやりとり。
梅津弥英子(キャスター、フジテレビアナウンサー):けさは北京冬季五輪に「外交的ボイコット」を表明する国が相次ぐ中、日本はどのような態度で臨むべきなのか。自民党外交部会長の佐藤正久さんと国民民主党代表の玉木雄一郎さんと議論をしていく。各国の動きをまとめた。中国の新疆ウイグル自治区での人権侵害を理由とするアメリカのほかオーストラリア、イギリス、カナダ、リトアニアなどが外交的ボイコットを表明している。一方、ロシアのプーチン大統領は五輪開会式への参加を表明。次期夏季五輪を控えているフランスは「政治化すべきではない」として外交的ボイコットに慎重な姿勢を示している。
日本は態度表明を留保
松山俊行(キャスター、フジテレビ政治部長・解説委員):日本は閣僚レベルの派遣は行わない方向で調整しているようだが、どういう態度で臨むかは正式には表明していない。日本が外交的ボイコットの態度表明を留保している状況をどう考えるか。
佐藤正久氏(自民党参院議員、党外交部会長):(態度表明を)遅らせて得るメリットがあるのかと疑問に感じている。アメリカやオーストラリアが態度表明している以上、日本も人権の問題、日本人拘束、尖閣諸島への侵害と主権の問題からも「政府高官等を派遣しない」と明言すべきだ。とくにウイグルの強制労働、強制的な結婚、強制的な不妊の問題に黙っていることは絶対におかしい。日本の外交は人権については「対話と協調」を基本にすると言うが、こと中国が絡むと「対話と協調」が「無言と二股」になってしまう。日本は品格から言っても、「人権より金か」と言われるのは本当不本意だ。経済的に世話になっているから人権については目をつぶるというような疑念を持たれては絶対いけない。とくにわれわれには1つの大きなトゲがある。2008年の北京夏季五輪時の一連の流れを一度おさらいしたほうがいい。