「イカゲーム」旋風をもたらしたビジネスモデル サブスク王者・ネットフリックス急成長の20年

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実は、ネットフリックスが20年以上も前から始めたこの「定額制サブスクリプション」という価値獲得は、現在の同社の価値創造にも多大な影響を与えるほどの屈強な基盤になりうるものだったのです。このことは、次の図を見ても一目瞭然です。

(出所)『収益多様化の戦略』

定額制とVODが掛け合わさった

同社の快進撃が始まるのは、ここからです。

世の中のブロードバンド化に伴い、2007年、ポスト投函DVDレンタルサービスを、ユーザーが観たいときにさまざまな映像コンテンツを観ることができる現在のビデオ・オン・デマンド(VOD)の映像ストリーミングサービスに置き換えたのです。

VODに変化しても、価値獲得は「定額制サブスクリプション」を貫きました。つまりユーザーは、およそ10ドル前後、劇場で見る映画1本分程度の料金を支払えば、1カ月に何本でも、何時間でも、ネットフリックスが契約する映画やドラマの豊富なラインナップから見放題になりました。

時間の許す日は一気見もできるし、中断しても次回アクセスすれば中断した個所からデフォルトで配信してくれる。解約も簡単にできるし、また入会したければ、すぐに再開できる。その利便性のよさも支持されました。

ただし、定額制サブスクリプションを全面に押し出す程度では、追随する他社ストリーミングサービスにすぐにマネされ、価格競争に巻き込まれてしまいます。

ここでネットフリックスが頭一つ抜け出したのは、同社でしか鑑賞できないオリジナル作品を「ネットフリックス独占配信」として配信したからです。

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