「成果主義で評価する」親が子どもを潰す納得理由 子どもにはその大人の常識は通じない

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しかし、中学受験に挑むのは10~12歳の子どもです。自分で成果を出す方法を考えられる子は、大人に比べてグッと少数派になります。10人中、2~3人くらいといったところでしょう。

このことがよくわかる、ハーバード大学のフライヤー教授らが行った有名な研究があります(※)。

この研究では、250以上の学校において、小中学生を対象に「ご褒美」による成績アップの効果が検証されています。「ご褒美」が与えられる条件をいろいろと変えてみて、どういう条件のときに子どもの学力が伸びるかを比較検証しているのです。

「ご褒美」の対象は大きく2つに分けることができました。

1つは、「学力テスト」や「通知表の成績」といった「成果」に対しての「ご褒美」です。もう1つは、「本を読む」「宿題を終える」「授業に出席する」といった「行動」に対しての「ご褒美」です。

大人の感覚だと、「行動」に対してご褒美を与えてもいい成果は得られないのではないか、と感じてしまいます。「表面的でうわべだけの行動に終始して、成果につながらない無駄な行動が増えてしまうのではないか?」「やはり結果にコミットすることが大切なのでは?」と。

勉強のやり方がわかっていない子どもは多い

しかし、成績アップにつながったのは「行動」にご褒美を与えた場合でした。「成果」に対してご褒美を与えた場合には、成績アップはほとんど実現されませんでした。

なぜこのような実験結果になったのでしょうか?

確かにどちらのパターンでも、子どもたちはやる気になりました。しかし、「成果」に対してご褒美が与えられた場合には、子どもたちの「勉強する」といった具体的な行動は増えませんでした。ご褒美が欲しくても、具体的に何をしたらいいかわからず、行動を起こせなかった子どもが多かったのです。行動を起こさなければ、成果も得られないのは当然のことですよね。

それに対して、「行動」にご褒美が与えられた場合には、やることが明確なので、行動できた子が多くなりました。「本を読む」「授業に出席する」といったいい行動が増えたため、成績もよくなったというわけです。

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