グリーン車、お得に「長く乗れる」新幹線はどれか 「居場所」と考えて料金を時間で比較してみると

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次いで東北新幹線も見てみよう。東京―仙台間、「はやぶさ」「やまびこ」のグリーン料金は4190円だ。所要時間の差は45分程度。遅い「やまびこ」のほうがその分長く乗っていられるが、時間単価で比較するとどうなるか。

「はやぶさ」:1時間半、1時間当たり2793円、1000円当たり21分
「やまびこ」:2時間15分、1時間当たり1862円、1000円当たり32分
(白石蔵王のみ通過タイプ)

「やまびこ」なら「はやぶさ」よりも、1000円当たり1.5倍の時間乗っていられる。1時間当たりの料金で見ると約930円お得だ。

また、東京―仙台間は新幹線だけでなく、常磐線の特急「ひたち」も使える。JR東日本のグリーン料金は新幹線も在来線特急も同じなので、こちらも4190円だ。

「ひたち」:4時間半、1時間あたり931円、1000円当たり64分

「ひたち」なら、「はやぶさ」と同じグリーン料金で1000円当たりの乗車時間がなんと3倍だ! ただ、車内設備は「ひたち」のE657系グリーン車よりも、新幹線E5系のほうがゆったりしている。

長く乗りたい「グランクラス」

最後に、東京―盛岡間でグリーン車よりも上位の「グランクラス」に乗るとしたらどうか。

E5系「グランクラス」の室内(撮影:尾形文繁)

速達タイプと一部区間各駅に停まる「はやぶさ」、そして「やまびこ」を比較すれば、所要時間の差はかなり大きい。遅い列車なら時間が延びる分ドリンクサービス(やまびこは除く)を使える時間も延び、ワインを2〜3杯余計に飲めるのではなかろうか。東京―盛岡間のグランクラス料金は9430円(ドリンクサービスがない「やまびこ」は7340円)だ。

「はやぶさ」:2時間15分、1時間当たり4191円、1000円当たり14分
「はやぶさ」:2時間50分、1時間当たり3332円、1000円当たり18分
(*上記は仙台―盛岡間各駅停車の場合)
「やまびこ」:3時間20分、1時間当たり2204円、1000円当たり27分

「やまびこ」なら同じ金額で速達タイプの「はやぶさ」と比べて乗車時間は1.5倍、見方を変えれば時間あたりの金額は「はやぶさ」のほぼ半額で済むことになる。ただしドリンクサービスはない。

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いかがだったであろうか。「ケチの美学」を唱える筆者だが、たまには贅沢もしてみたい。ただ、どうせ同じ金額を払うなら長い時間使えたほうが得ではないかという視点(がすでにケチかもしれないが)でさまざまな列車を比較してみた。

「せまい日本、そんなに急いでどこへ行く」。たまには遅い列車を選んでゆっくりグリーン車に乗ってみてはいかがだろうか。

北村 幸太郎 鉄道ジャーナリスト

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きたむら こうたろう / Koutaro Kitamura

1989年東京生まれ。2008年昭和鉄道高等学校運輸科卒業、2012年日本大学理工学部社会交通工学科マネジメントコース卒業。乗り鉄、ダイヤ鉄。学生時代は株式会社ライトレールにインターン生として同社の阿部等社長のもと、同社主催の「交通ビジネス塾」運営などに参加。

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