中国にドルが流入続くも使用先が不明という謎

外貨準備高の主役・米国債保有はほぼ横ばい状態

中国国内でドルが積み上がっている。前例のない規模の貿易黒字と債券市場への記録的な資金流入が背景だ。米国の金利が異常なほど低いのは「アジアの貯蓄過剰」が関係しており、これが米国のサブプライム住宅ローン危機をあおったと非難された時代以来見られなかった水準に膨らんでいる。

    当時、中国は流入したドルで積極的に米国債を買い入れていた。だが今は外貨準備高の大きな割合を占める米国債はほぼ横ばい状態。つまり、どこか別の場所でドルが使われていることを意味するが、正確にそれがどこかは謎だ。

  

中国に流入したドルの一部は中国の銀行に預金として置かれるが、中国の国際収支における不整合の大きさで実態ははっきりしていない。ただそれでも、不動産開発大手の中国恒大集団など個別企業がドル建て債務の返済に苦しむ中でも、世界経済に将来生じ得るショックに対してこうしたドルが中国にとって重要なクッションとして機能することは確かだ。

RBCキャピタルマーケッツのアジア外国為替戦略責任者アルビン・タン氏(香港在勤)は「中国の経常黒字がどのように循環しているのかを明確に把握することは極めて難しい」と述べた上で、これまでのドル流入で「中国では今後、経済的な困難が何であれ、国際収支または対外債務を巡る問題ではほとんど危険がない」ことを意味すると指摘した。

  

国家外為管理局(SAFE)が5日発表した7-9月(第3四半期)の経常黒字は801億ドル(約9兆1200億円)となった。1-9月の経常黒字は2028億ドル。

  

原題:Mystery of China’s Huge Dollar Surplus Baffles Global Markets、China 3Q Current-Account Surplus $80.1b, SAFE Says(抜粋)

(最終段落に最新の経常収支データを追加して更新します)

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著者:Enda Curran

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