インフルワクチン打たない人に迫る3つのリスク 流行しなかったことが感染リスクを高める皮肉

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さらに、来シーズンへ向けた免疫の維持のためにも、ワクチン接種は重要だ。

もし今季流行しなくても、来年も流行しない保証はない。2季連続で流行せず、ワクチンも未接種だった場合、免疫力の大幅低下は免れない。想定以上に早く流行が始まれば、ワクチン接種とその後の免疫形成は間に合わないだろう。

コロナ同時感染で重症化も…

さて日本では、もうすぐ新型コロナワクチンの3回目接種が始まる。ただし対象は2回目接種からおおむね8カ月以上経過した人だ。医療従事者は12月からだが、高齢者は来年1月から、その他の人々はそれ以降、順次接種を受けることになる。

ただし高齢者は、予防接種によるコロナ免疫が長続きしないと言われている。国内の調査(福島県相馬市)でも、接種後3カ月を経過すると高齢者では抗体価が大幅に低下していた。1月まで持ちこたえられるかどうか……。

3回目接種が遅きに失すれば、インフルエンザと新型コロナの同時感染も心配しなければならない。

私は新型コロナには季節性があり、冬が本格化してくれば患者は年内に再び増加に転じると考えている。実際、日本よりも緯度が高く冬の訪れの早い英国やフランス、ドイツなどヨーロッパ諸国では、すでに患者が増えてきている。

新型コロナとインフルに同時感染した場合、それぞれの単独感染よりも肺炎の重症化と回復の遅れにつながる可能性がある(長崎大学の最新の研究)。

同時感染させた動物の肺の組織を調べたところ、細胞レベルではウイルス干渉(あるウイルスが感染すると、似た病気のウイルスは感染できない現象)によって同時感染は成立しなかったが、個体レベルや臓器レベルでは同時感染が起きうることも確認された(同上)。

だが、冬の後半に同時流行が現実となったとき、あわててインフルワクチンと新型コロナワクチンを矢継ぎ早に打とうとしても、応じてもらえない医療機関が大半だろう。

現在まで、厚生労働省はそれらの同時接種を認めていない。どちらを先に打っても2週間は間を置かねばならないとしている。

なお、世界的には、アメリカCDCや英国NHSなども認める通り、同時接種がスタンダードだ。私も日常的にさまざまなワクチンの同時接種を行っており、経験からも何ら問題ないと自信を持っている。詳しくは過去記事(新型コロナと他ワクチン「同時接種」が必然なワケ)をご一読いただきたい。

今季、インフルワクチンは昨年よりも流通量が少ない。十分に入手できていない医療機関も多いようだ。もし今、かかりつけなど身近な医療機関で打てるのなら、チャンスを逃さないでいただきたい。「打ちたいと思ったときに打てないリスク」をわざわざ負う必要はないからだ。

新型コロナ第6波はまず間違いなくやってくる。インフル対策は、万が一新型コロナに感染した場合への備えでもある。後悔先に立たず、だ。

久住 英二 内科医・血液専門医

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くすみ えいじ / Eiji Kusumi

1999年新潟大学医学部卒業。内科医、とくに血液内科と旅行医学が専門。虎の門病院で初期研修ののち、白血病など血液のがんを治療する専門医を取得。血液の病気をはじめ、感染症やワクチン、海外での病気にも詳しい。

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