「ランクル70」、10年ぶり復活の理由 トヨタがこだわった"最強のオフロード車"
ではこのタイミングで、70シリーズを復活するのはなぜか。
ランクルのチーフエンジニアを務める製品企画本部の小鑓貞嘉氏は「たくさんのファンの声。今年は70シリーズの誕生30周年に当たること。またランクル本来の魅力を日本でも味わっていただきたいこと」と3つの理由を挙げる。
実際にランクルには、ブランド全体だけでなく、シリーズごとにユーザーの集まりがある。70シリーズ復活のお披露目となったこの日、会場には老若男女、多くのランクルファンが集まった。
東京都に住む島田謙佑さん(20)はそんな一人だ。2年前に父親が中古で買った94年モデルの「70」を気に入り、すっかり自分のものにしてしまった。2年間で走った距離は4万キロメートル。ランクルを通じて多くの仲間にも出会った。島田さんより年上で自動車の知識も豊富な多くの“先輩”から、自動車の修理方法やオフロードでのマナーなどを学んだという。
「ランクル70はおもちゃのようで楽しい。車の素人だったが、ランクルを通じて多くのことを学んだ。若者のクルマ離れなんて言われているけど、このクルマがない人生は考えられない」と目を輝かす。
多くのファンを惹き付けて止まないのは卓越したタフさだ。とりわけ70シリーズは、圧倒的なオフロード性能から、世界中の過酷な現場で使われている。
灼熱の砂漠、地引き網の浜でも
確かに、中近東の国境警備隊やオーストラリアのパークレンジャーは、灼熱の大地を走る。オーストラリアの炭鉱では、地下1500メートルの坑道で塩水と酸性水の中、作業をする。「ランクル70でも3~4年しかもたない。でも、ほかのクルマだと半年で壊れてしまうので、これしかないと言われた」(小鑓チーフエンジニア)。中東では、漁師が地引き網の網を引く道具として使われているという。
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