カローラクロス対キックス､ハイブリッドSUV比較 トヨタSUVランナップ拡充､日産は対抗できるか

カローラクロスの走行イメージ（写真：トヨタ自動車）

だが、カローラクロスのハイブリッド車は、燃費性能においてはキックスに勝る。WLTCモード総合ではカローラクロスの2WD車は26.2km/L、比較的燃費が落ちる4WD車でも24.2km/Lだ。一方、ハイブリッドの2WDのみを設定するキックスの燃費は、同じWLTCモード総合で21.6km/L。もちろん、これらはカタログ上の数値なので、運転の仕方や道路状況などで変わるので一概にはいえない。だが、車両重量がハイブリッド2WD車で‪1380‬～1410kgと、1350kgのキックスより30～60kg重いカローラクロスが、キックスに勝る数値を出しているところに、トヨタのハイブリッド技術がいかに高いかがうかがえる。

カローラクロス（4WD）の前後輪トルク配分イメージ（写真：トヨタ自動車）

また、カローラクロスのハイブリッド車には、電気式4WD（E-Four)も設定されており、雪道などの滑りやすい路面での安定性も高い。日産は、雪道や滑りやすい路面でもe-POWERドライブを使うことで、強い減速力により安心感の高い走行が可能だと謳う。だが、カローラクロスの4WD車は、定常走行時や減速時は2輪駆動、発進時や雪道など滑りやすい路面では4輪駆動にスムーズに切り替える機能を持つ。こうした細かな制御を行うカローラクロスのほうが、より悪路での走行安定性は高いといえるだろう。

両社ともに質感の高いインテリア

カローラクロスのインテリア（写真：トヨタ自動車）

両車は、いずれも高級感溢れる内装を持つ。カローラクロスは、セダンのカローラなどと同様にシンプルな構成ながら、落ち着いた雰囲気と高い質感を持つ。同じコンパクトSUVのヤリスクロスよりも、高級感では明らかに上だ。トヨタ某販売店によると、ハリアーが売れている理由のひとつには「内装の高級感もある」というから、カローラクロスにも同じ方程式が取られているのだろう。

シートの素材は、最上級グレードのZに本革とファブリックのツートン、それ以外のグレードはファブリックだ。前席には、エントリーグレードのG“X”を除く全車に、ホールド性が高いスポーツタイプを採用し、長距離ドライブでの疲労軽減に貢献する。また、ゆとりのある頭上空間を持たせることで、開放感と快適性を実現。室内照明にすべてLEDを採用するなどで、カジュアルな雰囲気の中に、上質かつ洗練された空間を演出する。

キックスのインテリア（写真：日産自動車）

一方、キックスのシートには、座り心地に優れる「ゼログラビティシート」を装備する。座面には適度な硬さを持つマットスプリングタイプを装備、背もたれは背骨や骨盤、腰などを連続的にサポートする形状とすることで、長時間走行時などでも快適だ。また、上級グレードのXツートーンインテリアエディションには、‪レザー/ファブリックのコンビシート‬を採用。各部にダブルステッチを施すことで、スポーティながら高い質感も醸し出す。