周りの雑音に潰れる人と負けない人の決定的な差 成果を出すのに必要なのは「特別な才能」ではない

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ダスティン・ペドロイアというメジャーリーガーをご存じでしょうか。選手としては小柄で、その見た目のせいで、警備員に選手証を見せても信じてもらえず、応援の警備員を呼ばれてスタジアムに入れてもらえないことまであったといいます。ペドロイアを初めて見た監督は真剣な面持ちで「うちのチームが選んだのは本当にこの選手なのか?」と聞くほどだったとか。

「ペドロイアにはメジャーリーグの投手を相手にするほどの力もバット・スピードもない。パワーも足りない。2割6分台の打率をキープできれば使い道もあるが、3塁手やショートになれたとしても控え選手にしかなれないだろう」

選手の活躍を予測して順位をつけるベースボール・アメリカ誌では、ペドロイアの評価は新人選手100人のうち77位。球界で無視同然の扱いを受け、監督やコーチからもさんざんな言われようでした。ところがあるとき、ペドロイアは1割5分8厘に落ち込んでいたシーズン打率を一気に3割3分6厘にまで引き上げます。その後も調子はますます上がり、2007年にアメリカン・リーグの新人王を獲得、翌年にはアメリカのエリート選手を退けてMVPに選ばれました。2013年の契約延長時の契約金は1億ドルにもなったといわれています。

そんなにも実力を秘めた選手であったにもかかわらず、人々はなぜその才能を見つけられなかったのでしょうか? それ以上に、ペドロイアはなぜ、「最悪」といってもいいほどの状況から結果を出すことができたのでしょうか?

「悪いシグナル=ノイズ」を断ち切る才能の重要性

ペドロイアには、1つ大きな才能がありました。コーチに「バットの振り方がなっていない」と言われようとも、

「何とでも言ってくれ。おれはバットとボールがあればいい」

そう言って、まわりの声をいっさい聞きませんでした。そして自分のスタイルを貫き、成績を上げていったのです。この「悪いシグナルを無視する」という見えない才能こそが、ペドロイアを大きく飛躍させた要因にほかなりません。そもそも、打者が結果を出すために必要なことは「集中すること」だといいます。元メジャーリーガーのテッド・ウィリアムズは、こう語っています。

「打撃は『自ら悟るもの』だ。慎重に考えて、状況を把握し、相手について分析しなきゃならない。それに何よりも自分のことをよく知る必要がある。それにはかなりの努力がいる」

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