再建築不可物件あえてリフォームする人の懐事情 不動産投資の新たな流れ、高い利回りも可能?

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このように付加価値を高めたうえで、賃貸投資物件として回すことができれば、再建築不可物件の利回りは「一般的な不動産投資に比べてもかなりの好条件が実現できる可能性が高い」と入江氏は言う。

具体的には中古マンションや一棟アパートの場合、利回りは4~8%程度。それが再建築不可物件は、10%を超えることも珍しくないというのだ(下図参照)。

(外部配信先では図表や写真を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)

「500万円の再建築不可物件を購入し、リフォームに1200万円をかけた場合、家賃12万円で計算すると利回りは約8.2%です。それをDIYするなどしてリフォーム費用を300万円に抑えれば、12%以上になります。土地自体にほぼ価値がないので、取得費用はもちろんですが、固定資産税も格段に安くなるのです」

リフォーム費用と建物価格は減価償却可能

「もう1つの魅力は、リフォーム費用と建物価格を減価償却できる点です。事業をされている方はもちろん、会社員でも“本業”の儲けと損益通算できるので、償却資産として活用できます。年間で償却できる金額は『リフォーム費用÷22』と『建物価格÷4』の合計となりますが、十数年経って償却期間が終了すれば、土地価格に対する利回りは100%を超えることもあります」

再建築不可物件の多くはすでに空き家か、早晩空き家になる見込みの家屋が多い。街を荒廃させる空き家の急増が社会問題となるなか、冒頭で紹介した前田氏は「再建築不可物件への投資は、利回りだけでなく、社会的意義も大きい」と訴える。要注目の投資法の1つとして、押さえておいてもいいのではないか。

根本 直樹 ライター

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ねもと・なおき  / Naoki Nemoto

1967年生まれ。立教大学文学部仏文科中退。その後『週刊宝石』記者を経てフリーに。主に暴力団や半グレなどアンダーグラウンド分野の取材・執筆活動を続けている。

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