訂正を迫られた日経平均は再度3万円を回復する 足元の値固めが終われば年末までに上昇へ

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この調査によれば、景気の現状に対する判断を示す現状判断DIは、8月の34.7から9月の42.1に改善した。さらに、2~3カ月先の景気を展望した先行き判断DIは、同じく43.7から56.6に、大幅な上昇を示している。

この56.6という先行き判断DIの水準は、アベノミクス期待が盛り上がったあとの2013年11月の57.6以来の高水準であり、内需関連に従事している人たちが、今後に大いに期待していることが示されている。

この景気ウォッチャー調査では、回答時に寄せられた主なコメントも掲載されていて参考になる。それを見ると、単なる願望、期待、予想で先行きがよくなると考えている人たちばかりではない。

例えば「飲食業でも10月の予約が入ってきている。アミューズメントや旅行の予約などでも各団体の動きが出てきている。各物流会社でも物の動く準備としてフォークリフトや倉庫の人員を補充し始めている。あらゆる業種からの求人の問い合せが増えている」(東北)、「緊急事態宣言解除で、すでに注文も入っており、大いに期待している」(東京)、「10月以降週末や休日を中心に予約数が増加」(北陸)といった、実態改善の動きに基づいたコメントも目にする。

とすれば、足元の内需非製造業の収益実績ははかばかしくなくとも、今後の改善が見込まれるといえよう。

外需製造業は引き続き改善基調

一方、足元の実績では、世界経済の回復に基づき、輸出増に支えられた外需製造業企業の収益増が先行している。世界の設備投資の金額は、2019年にその前年のアメリカのドナルド・トランプ政権(当時)による対中報復関税により、米中貿易戦争となって世界経済が悪化するとの懸念から、前年比で減少となっていた。

また2020年はコロナ禍で、やはり設備投資が一段と減少した。この2年分の設備投資を一気に行おうとの動きが世界で生じており、日本が得意とする設備機械(半導体製造装置、工作機械、産業用ロボットなど)や、そうした機械類で使われる機械部品・電子部品には、追い風となっている。

2月本決算企業の中でも、竹内製作所、安川電機といった製造業については、収益実績が好調だ。とすれば、これから決算発表を迎える3月本決算企業(上期実績)についても、製造業を中心に好決算が見込まれるだろう。このため、今月後半から11月前半の決算発表時期が、国内株価が底固めから上昇色を強める契機ではないだろうか。

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