撤去進む「五輪会場」後利用に不安すぎる雲行き 無観客開催で祭典終了「負の遺産化」は防げるか

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パラ閉幕から2週間が経過した9月20日。両会場周辺を今一度、訪ねてみたが、カヌー・スラロームセンターのほうはすでに仮設スタンドやプレハブ小屋などの施設がすべて撤去され、コースだけが残っている状態。五輪ムードはまるでなく、無観客によって世紀の祭典を楽しむ好機を逃した残念さばかりが感じられた。

大会期間中のカヌー・スラロームセンター(写真:筆者撮影)

8月下旬に今後の利用計画や地域との連携について協栄に問い合わせたが、「東京都に確認してからでないと回答できない」との返事。

施設担当・佐藤氏から返答が届いたのは、3週間近く経ってからだった。

無観客開催だったが現時点で計画に変更なし

「東京2020大会後は仮設物の撤去および再開業に向けた工事の後、カヌー競技をはじめとしたさまざまな水上競技の競技力向上の拠点として、国際水準の安定した競技環境の提供、国際・国内大会の誘致・開催をしていきます。

あわせて、都民・国民のみなさまに水上スポーツ体験やラフティング等の水上レクリエーションの機会を提供するなど、多目的に施設を活用し、隣接する葛西臨海公園と連携することで、賑わいを創出していきます」

主回答を要約すると、2年前に協栄サイドが考えていた計画と何も変わっていないということ。都民への施設見学等の実施も「現在検討中」という。再開業時期も来年ということしかわからず、細川さん親子のような地域住民の興味も薄れる可能性も否定できない。

2019年時点の同センターの収支見込みは、収入が1億6400万円、支出が3億4900万円で、年間1億8600万円の赤字となっている。が、収入の大前提である来場者は年間10万人という数字を掲げているこの達成は高いハードルのように映る。より使われる施設にするためにも、身近なところからアプローチしていくことが肝要ではないか。役所マターということもあるが、取り組みが非常に遅いのはやはり気がかりな点だ。

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