世帯年収1500万円の夫が妻には言えない「悩み」 プライベートカウンセリングを訪れて吐露

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夫婦での暮らしで片方に余裕がなくなった場合は、このケースでは夫から妻になりますが、余裕のない方に対する会話では、さほど重要でないことの質問を極力減らすようにアドバイスします。

例えば、休日の昼食などでは「何にしようか?」と聞かず、「ハイ、炒飯」といって、そのまま食事を出すといったことです。些細なことでも余裕がない状態で質問すれば、そのことに答えを出すという“労力”が生じます。

すると、「そんなこと自分で考えてよ」というような、答え方になりそれがまた摩擦になります。つまり、「選択する」という労力を減らすことで、相手の気持ちにゆとりが生まれるということがよくあるのです。

先の見通しを立てて計画的に物事を進める、危機をいち早く察知して対処する能力は、ビジネスを進めていくには必要な資質です。

しかし、長引くコロナ禍では、買い物や外食などによって生まれる心の余裕を失わせ、目の前の仕事やコロナといった問題だけに向き合いそれがかえって空回りしやすい要因になっているかもしれません。日常の楽しみは、単なる消費ではなく、視点を切り替えたり、直感的に行動するための大切な機会であったのです。

結局のところ、このカップルは、マンションの購入は避け、賃貸の3LDKに引っ越しました。都心の下町でレストランやカフェ、スポーツジムがあるところで、気軽に気分転換がはかれる場所を選びました。

妻が夫に見切りをつけている場合も

しかし、30代前半の妻が、自から子どものことを切り出さないのは、夫に見切りをつけていることも多いのです。また、こうしたケースではマンションを買った途端、妻が転勤になり、そのあと男性に別の女性ができ、子どもができて離婚するケースや、マンションを買った途端、夫がコロナによる減収で、妻の収入で生活するという想定まで、妻は、男性とまったく違うことをイメージしていることもよくあります。

個人の疾病を治すメンタルクリニックでは、夫や妻といったそれぞれの話を聞き、疾患なのかそうでないのかを見極めます。

一方、プライベート・カウンセリングでは、場合によってはご夫婦2人で来ていただき、それぞれのお話をうかがったうえで、さまざまなご提案をすることもあります。

夫婦のありようを中立的な立場で一緒に考える――プライベート・カウンセリングだからできることでもあります。

(執筆:北 淑+Kanausha Picks、医学博士)

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