お産と子育てにまつわる選民意識 「自然な〇〇」という脅し
病院でのお産、そんなに言われているほど悪くないですよ。医師も看護師も頑張ってます。たしかにまだまだデリケートな妊産婦の心理を完全にケアできているとは言いがたいけれど、少ないリソースの中で安全と心理的安心を両立させようと努力しているのだな……と思います。
「自然な子育て」についても、なんかもうどうでも良くなりました。母乳が出なければミルクをあげたらいいし、布おむつは余裕がある時にして紙おむつも使えばいいし、離乳食も神経質になる必要はないし、必要なら大声で叱り飛ばせばいいし、場合によってはひっぱたくこともある。
結局、「自然な◯◯」って……
赤ちゃんが生まれてからのほんの短い時期、それらのことで取り返しの付かないトラウマが残ることなんかありえません。そんな事で一生を左右されるなんて馬鹿馬鹿しい考えだと、もうそろそろ4歳になる所まで息子を育ててきて思います。
アニメや特撮のキャラクターだって、別になんか問題あるかね? さんざんあれらを観て育った私は、今では生活骨董が大好きで、YohjiYamamotoやIssayMiyakeを着て、ヴィム・ヴェンダースの映画を観て、ピナ・バウシュを愛する大人に育ちましたよ。
好きな絵画はポール・デルヴォー「夜の汽車」長谷川等伯「松林図屏風」好きな音楽は椎名林檎だ、文句あるかね。
大人が嫌うものを摂取して子供は大きく育つんではないのかい。だいたい、自分たちがそうだったでしょ。
アニメ、漫画、おまけ付きお菓子、銀玉鉄砲、BB弾、駄菓子屋のくじびき、合成甘味料と着色料。そういうのもありながらここまで育ってきたんじゃないのかね……。
自然農法の作物と砂糖すら入らないお菓子、蜜蝋のクレヨンや粘土と絵本、木のおもちゃ……、それだけで育った子のほうが私はコワイです。後でスゴイ反動が来てしまいそうで。
最後に、自然なお産で子供を亡くした方のブログを。『助産院は安全?』
プロフィールに「助産院で産むことを美化せず、そして助産院だからと否定せず、助産院について考えていきます」と書かれています。けれど、勉強すればするほど、悲しいことにそれほど安全ではないのだという答えしか出てこないのが辛いとブログオーナーの方が書かれていました。
私も、知れば知るほど「自然な◯◯」については全く自然ではなくて不自然なものだという思いを深めてしまうのがなんとも寂しいのです。
プレタポルテの関連記事 女の体を、脅すな<生理用ナプキンの真実>(若林理砂) 子育てへの妙な圧力は呪術じゃなかろうか(若林理砂) 部屋が片付けられない人の5つの罠(岩崎夏海)
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら