人気の｢米国株｣値上がりしそうな銘柄探すコツ アナリスト語る｢日米株二刀流｣がオススメの訳

なお、前述したジュミア・テクノロジーズは、日本人には馴染みがない企業です。こうした企業の情報を知るには、『米国会社四季報』が便利です。そして同社のような日本企業を探したい時は、『米国会社四季報』の【同業種の日本企業】や【主な日本法人】欄を見るといいでしょう。

いまやアメリカ株の情報はネットやSNS、『米国会社四季報』などでそれほど苦労せず集めることができます。とはいえ、現地に住んでいる人が肌感覚で得る情報や、現地に足を運んで得られる情報にはかなわないでしょう。しかし、私は投資戦略上、自分が不利な環境を好みません。そこで、仮に私が今から個人投資家としてアメリカ株投資を始める場合、こんな戦略を立てると思います。

アメリカ人より有利に投資するには

それは「日本で成長の勢いを感じられるアメリカ株の初動を買う」という戦略です。わかりやすく言えば、アメリカ株の上場企業が日本に進出して人気になっていることを確認したら、海外の売上げ増によりアメリカ市場でも該当企業の株価が評価されるだろうと考え、そのタイミングで買いを入れるということです。
 
このやり方であれば、アメリカで成功した企業が海外でも成功するという、成長ステージ第2弾のタイミングで株を仕込むことができます。この場合、日本での成功がカギを握るので、アメリカ人よりも私たちの方が有利になるのです。

例えば、コロナ禍で最初の緊急事態宣言があった2020年4月に、テレワークにより突然日本の多くのビジネスマンや学生に利用されることとなったZOOM（アメリカ）を、その時点で買っていれば、半年後には4倍以上の利益を手に入れることができました。

ほかにもこうした例はたくさんあり、小売りや外食、SNS、アプリなどの身近な消費セクターであれば、「あのアメリカ発のサービスは最近広まっているな」と肌感覚で感じることもできるでしょう。

大化け株発掘の神様として名高いピーター・リンチ氏も、「少し意識的に自分の仕事や近所の商店街などで起こっていることを見るだけで、（プロより）すごい銘柄、10倍株を見つけられる」と述べています。

日本で勢いの出始めたアメリカ企業を買うということは、遠いアメリカにいる投資家よりも、海外進出を始めた企業の挑戦の現場を日本で調査して体感できること、さらには消費者目で判断できることの「二重の優位性」を内包している戦略なのです。