「人生100年時代」に「FIRE」したがる人の問題点 若いとき「無理にお金を貯める」とどうなる?

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この関係をさらに、書き加えた図が以下だ。

「リッチ」と「自由」のトレードオフ

自由で快適な時間はお金で買える。お金は自由の範囲を拡大する手段になる。一方、不自由を我慢することでより大きなお金を手に入れられる場合は確かにある。

例えば、左下の第3象限の位置にある人が、右上の第1象限の状態を目指すには、まずお金を作って自由を買う「左回り」と、プアを我慢しながら自分の好きことをより大きなお金に換えようと試みる「右回り」の2つの戦略がある。

左回りのほうがより堅実に見えるので多くの日本人に好まれているようだ。右回りは、うまくいくと快適だし、人間は好きなことでなければ頑張れないだろうから、状況によっては「好き」を優先させて仕事や生活を選択するほうが有利な場合もある。しかし、多くの場合、右回りのアプローチは成否が不確実なので、選択には勇気がいる。

いずれにせよ、好きなことにお金と時間を使える余裕があって、しかも好きな仕事が稼ぎにつながっていて、願わくは、よりリッチな状態を獲得するのが「より幸せ」だろう。

今回図で示したアイデアは体系的な「幸せを目指すための人生戦略」の一部にすぎないが、読者には、なるべく大きな人的資本を獲得・活用して、より幸せになってほしい。

わが国では、イソップ童話のアリとキリギリスの噺を引いて、刹那的にお金を使うキリギリスを責めて、堅実なアリを手本とすべしとの論調が優勢だ。

しかし、読者の皆さんには、若い頃から好きな仕事で働くいっぽう、自分自身の知識・スキル・経験などに惜しみなく時間とお金を使って、それを高齢まで維持できるような、「冬でも(高齢でも、不景気でも)食べていけるたくましいキリギリス!」のような大らかで強い人の人生を歩んでほしい。黙々と貯蓄するアリさんばかりではつまらない(本編はここで終了です。次ページは競馬好きの筆者が週末のレースを予想するコーナーです。あらかじめご了承ください)。

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