仏イリアドのTモバイルUS買収案、ドイツテレコムが拒否 仏イリアドの提案をはね付けた

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 8月7日、ドイツテレコムは、TモバイルUSに対する仏イリアドの買収提案を拒否したことを明らかにした。写真はドイツテレコムのロゴマーク。ハノーバーで2012年3月撮影(2014年 ロイター/Fabian Bimmer/Files)

[フランクフルト 7日 ロイター] - 独通信大手ドイツテレコム<DTEGn.DE>は、米携帯電話子会社のTモバイルUSに対する仏新興通信企業イリアド<ILD.PA>の買収提案を拒否したことを明らかにした。

また、米国で合併が認められないのであれば、小規模な企業が上位の企業と競えるよう、規制当局が手助けをすべきとの見解を示した。

ドイツテレコムは売上高の3分の1、中核利益の5分の1を米国で稼いでいるが、米国市場を主導するAT&T<T.N>、ベライゾン・コミュニケーションズ<VZ.N>に追い付くためにはTモバイルUSは規模が不十分で、保有する周波数帯や資本も不足しているとみており、2011年終盤以降、2度にわたって事業売却を試みたものの実現していない。

ティム・ヘットゲス最高経営責任者(CEO)は、イリアドが提示した150億ドルの買収案は満足できる内容ではなく、売却を急ぐ考えはないと述べた。

また、「TモバイルUSの存在感を高め、株主還元につながるような買収提案なら受け入れる」と語り、現時点でそうした基準を満たす提案はないと明らかにした。

さらに、同CEOは記者団に対し「業界内での統合が望ましくないのであれば、小規模事業者の状況を改善する規制当局の手助けが必要だ」と指摘し、来年に行われる低周波数帯の入札で同社が優遇されるべきだと付け加えた。

TモバイルUSに対しては、今後他社が買収案を提示する可能性がある。米衛星放送サービス大手ディッシュ・ネットワーク<DISH.O>の会長は6日、スプリントがTモバイルUSの買収交渉を中断したことから、TモバイルUSの買収を検討することが理にかなう状況になった、との見方を示した。

*内容を追加しました。

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