「ドラゴン桜」で学ぶ東大生「記憶力爆上げ」の技術 ポイントは「大枠のイメージ」と「個別の特徴」
いかがでしょうか。この漫画で語られているとおり、僕たちは「流れ」の中で、ひとまとまりになっているほうが覚えることができるという性質を持っています。
これは僕が東大の授業で学んだことですが、人間は人の顔を覚えるとき、一人一人個別で「Aくんの顔」「Bくんの顔」というふうには覚えないそうです。「男性の顔」のイメージがあって、それと合わない個別の特徴のみを記憶するのです。「Aくんはメガネをかけていたからこういう顔」「Bくんは普通より目が大きいからこんな顔」と、イメージと特徴を掛け合わせることで、記憶しているのです。
個別で100~200人以上の顔を覚えていくのは非常に大変な作業になりますが、大枠になる1つの「男性の顔」と、ちょっとした「個別の特徴」の記憶であれば、少ない情報量でも問題なく対応できるというわけです。
「大枠のイメージ」と「個別の特徴」を覚えるというのは、この漫画で描かれているのとまったく同じプロセスです。単体で覚えるのではなく、関連づけして1つの流れ・大枠をつかみ、それに対して個別の特徴を強調して覚えていく。これによって、効率的に覚えることができるというのは、記憶のプロセスとして非常に理にかなっているというわけです。
東大入試の出題形式にも通じている
そして東大生は、これを利用するのが非常に上手です。というか逆に、このスキルを身につけていないと東大に入れないんです。なぜならこれは、東大の入試問題でも多く出題されている形式だからです。
例えば世界史の問題であれば、「この時代を概観したうえで、それらの細かい具体例を述べてみてください」というような問題形式が頻出です。先ほど述べた、その時代のさまざまな出来事を関連づけて見えてくる「大枠のイメージ」と、細かい出来事、つまり「個別の特徴」がセットで聞かれるわけですね。
この問題を出題する意図は、おそらくですが、「これができていればこれから先の勉強も問題なくできるだろう」と見なされるからだと思います。言ってしまえば、この問題ができるということはその分野について「男性の顔」のイメージと個別の特徴を強調することができるスキルが身についているということなんですよね。つまり、これからどれだけ男性の顔(=新しい知識)を見ても、だいたい覚えられるということの証明なのです。
だからこそ、「この問題が解けるということは、もし一度忘れてしまっても必ず覚え直すことができるだろう。これから先、大学で新しい勉強をしたとしても、きっと覚えることができるだろう」と考えて、この問題を出題して点数が高かった人を合格としているのではないでしょうか。
そして、これに対応するために、東大生は記憶するときにいろんな工夫をしています。今回はその中でのテクニックを2つ紹介します。
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