コロナ禍の百貨店業績、黒字1億円以上は3社だけ 全国百貨店74社の最新決算を総チェック

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大都市圏の百貨店が苦戦を強いられる中、地方で黒字を維持する百貨店もある。写真と本文は直接関係ありません(撮影:尾形文繁)

新型コロナウイルスの感染拡大収束の気配がいっこうに見えず、百貨店業界は苦境に立たされている。では、コロナ禍が年間を通じて直撃した2020年度決算はどうなったのか。日本百貨店協会の会員である74社の決算を調べたところ、58社で最終損益(純損益)を確認できた。

大半が赤字になる中で黒字だったのは11社。といっても、数百万円~数千万円のところがほとんど。黒字で1億円以上は、岐阜髙島屋(3.4億円)、鳥取大丸(1.6億円)、京阪百貨店(1億円)の3社だけだった。

コロナ禍の影響がとくに大きいのが、東京や大阪など大都市圏の中心部に立地する百貨店だ。主要顧客である中高年齢層は人が密集する都心部への外出を控える傾向が強いうえ、訪日外国人客の需要が消滅した影響も直撃している。

百貨店は一般的に損益分岐点比率が8~9割と非常に高く、売り上げが低迷する環境下では業績が一気に悪化する。大手は赤字が巨額になりやすく、2020年度は髙島屋(単体)の336億円を筆頭に100億円以上の最終赤字が相次いだ。

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岸本 桂司 東洋経済 記者

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きしもと けいじ / Keiji Kishimoto

全国紙勤務を経て、2018年1月に東洋経済新報社入社。自動車や百貨店、アパレルなどの業界担当記者を経て、2023年4月から編集局証券部で「会社四季報 業界地図」などの編集担当。趣味はサッカー観戦、フットサル、読書、映画鑑賞。

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