【産業天気図・精密機器】事務機の法人需要底打ち、デジカメも回復鮮明、1年通じて「晴れ」の稼ぎ時
10年4月~9月 | 10年10月~11年3月 |
精密機器業界は2011年3月まで、終始「晴れ」の活況となりそうだ。事務機などの法人需要が底を打ち、ゆるやかに上向き始めた。デジタルカメラも回復鮮明で、特に一眼レフの動きが強い。
キヤノン<7751>やリコー<7752>、コニカミノルタホールディングス<4902>など事務機を柱とするメーカーはいずれも、オフィス機器の需要は底を打ったとみている。12月決算のキヤノンは第1四半期(1~3月期)を終え、オフィス部門(複写機やプリンター機器など)の売り上げ計画を2兆430億円に引き上げた(期初のオフィス部門の計画は1兆7610億円)。アジアに続き米国でも、カラー複合機やレーザープリンターの受注が想定を上回っている。
従来オフィスで使われてきた事務機に加え、「商業印刷機」の市場も確実に立ち上がりつつある。商業印刷機は、複合機の出力スピードや色再現性を高めた、1台あたり数千万円以上の高額の印刷機だ。カタログやダイレクトメールといった業務用の印刷物に使われる。多品種少量印刷を得意とし、個人名入りなどでよりメッセージ性の高い印刷物を作成できる。
IT調査会社、ガートナージャパンによれば、商業印刷機(機械・消耗品販売)の世界市場規模は4000億円程度。米国に続き、日本や欧州ではこれからの成長が見込まれる。キヤノンは4月にオセ社(オランダ)を連結化し、手薄だった高速機のラインナップを拡充した。商業印刷でシェア4割と先行する米ゼロックスグループの背中を追う。