糖尿病を「太っている人の病気」と信じる人の盲点

知らぬ間に進行している「かくれ高血糖」の恐怖

糖尿病は、血液中のブドウ糖が全身の細胞に取り込まれずに血液中にあふれたままになっている状態のこと。ただし、糖尿病を発症しても初期には自覚症状はほとんどありません。

妙に喉が渇くとか、トイレの回数が増えるとか、食べてもやせるといった症状が出てきて「おかしいな」と思いはじめたときには、すでに血管の老化が進んでいて、網膜症や腎症、神経障害、脳梗塞といったさまざまな血管の病気(合併症)を引き起こしてしまうことが多いのです。

なぜ糖尿病は怖いのか?

血管の老化によって引き起こされるこれらの合併症こそが、糖尿病が恐れられる理由です。ところが、「かくれ高血糖」で血糖値が急上昇・急降下を毎日毎日繰り返している人は、糖尿病になる前からすでに血管の老化が進んでいます。

糖尿病で恐れられている血管病の発症に向かって、すでにスタートを切ってしまっているのです。

『健診・人間ドックではわからない! かくれ高血糖が体を壊す』(青春出版社)書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします。

血管病の代表が、心筋梗塞、脳卒中です。「血糖値スパイク=食後高血糖」が起こっている人は、たとえ空腹時の血糖値が正常であっても、心筋梗塞や脳卒中のリスクが高くなることが国内外の研究で明らかになっています。

たとえば、山形県舟形町の40歳以上の住民を対象に7〜10年間追跡調査を行って心血管疾患による死亡リスクを調べた研究では、食後高血糖がある人は、ない人に比べて心血管疾患による死亡リスクが高いことがわかりました。

一方で、空腹時血糖値のみが高い人は、正常な人とほぼ変わりませんでした。つまり、健康診断で測るような空腹時の血糖値よりも、健康診断ではわからない食後高血糖のほうが、血管病の発症や、それによる死亡リスクに深くかかわっていたということです。

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事
  • iPhoneの裏技
  • 見過ごされる若者の貧困
  • CSR企業総覧
  • 自衛隊員も学ぶ!メンタルチューニング
トレンドライブラリーAD
人気の動画
早慶上理・MARCH・関関同立、少子化でどうなる?
早慶上理・MARCH・関関同立、少子化でどうなる?
築40年超「老朽マンション」丸ごと建て替えの大問題
築40年超「老朽マンション」丸ごと建て替えの大問題
山手線2日間運休「渋谷駅大工事」何をどう変えた
山手線2日間運休「渋谷駅大工事」何をどう変えた
「料理が突然、上手になる」たった1つの簡単秘訣
「料理が突然、上手になる」たった1つの簡単秘訣
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
日米の躍進銘柄を総まくり<br>発掘! 未来の成長企業

米国の株式相場上昇に目を奪われがちですが、日本でも未来を牽引する成長企業は確実に育っています。本特集では「新興成長企業」や「トップの通信簿」などのランキングを掲載。GAFAMやメルカリの次の新主役を探しましょう。

東洋経済education×ICT