東京五輪、「無観客開催」決定でも遠い安全と安心 衆院選勝利と続投狙う菅義偉首相の前途に暗雲

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4度目の緊急事態宣言を受けた8日夜、小池百合子東京都知事と橋本聖子五輪組織委会長、丸川珠代五輪担当相、国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長、国際パラリンピック委員会(IPC)のパーソンズ会長による5者協議が開かれた。

首都4都県で実施される五輪の全競技と開閉会式を無観客で開催することを最終決定。6月21日の5者協議で決めた「観客数上限を収容定員の50%以内で最大1万人」という方針を転換した。

橋本五輪相は苦渋の表情で謝罪

5者協議後に記者会見した橋本氏は、「無観客を決定したほうが開催への理解をいただけるのではないかという判断」と述べ、国民の批判や反発に配慮したことを認めた。そのうえで、「楽しみにしておられた方には大変申し訳なく思っている」と苦渋の表情で謝罪した。

5者協議では、サッカー会場などがある宮城、福島、静岡の3県については有観客で、50%以内か1万人以内の少ないほうとする方針も決めた。茨城県では全国の小中高生らに観戦機会を提供する「学校連携」の観客だけを受け入れる方向。北海道はなお検討を続ける構えだ。

無観客でもIOCなどの大会関係者は入場できるが、スポンサー招待客は排除する方針でも合意した。マラソンや自転車ロードレースなど公道を利用する競技については、沿道での一般観覧を控えるよう求めることも確認した。8月24日に開幕するパラリンピックの観客の扱いについては、五輪閉幕後の8月中旬にも判断することにした。

今回の5者協議の主役は小池都知事だった。小池氏は協議終了後、「都民の命と健康を守り、安全を重視した大会とするために人流を抑制すること、感染拡大防止に向けたより厳しい措置が必要であると申し上げた」と説明。「大会会場で直接見たいということで楽しみにしておられた方々もたくさんいらっしゃると思う。断腸の思いだが、ぜひご家族で、ご自宅で安全安心に大会を存分にご覧いただきたい」と改めて在宅での観戦を呼び掛けた。

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