成城石井「ピスタチオスプレッド」激売れの舞台裏 発売1年経っても売れ続けている理由はどこに

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そんな折、ピスタチオスプレッドを、製造元のイタリア企業ポリコムからすすめられたのは、2019年5月に開催されたイタリアの食品展示会。買い付けには成城石井の原昭彦社長自身が、バイヤーの育成を兼ねて出かけていた。「社長はナッツが大好きですし、お客さまの支持が高いカテゴリーということもあり、ナッツ製品を積極的に探してはいました」(坪井課長)。

ポリコム自体もナッツ製品を長年扱ってきた実績があった。そこで日本の第三者機関にも検査を依頼し、お墨つきを得てから輸入に踏み切った。ポリコムにも原料および製造後にも、ロットごとに検査をしてから出荷してもらっている。

臨機応変に対応し、輸入が実現できたのは、成城石井が東京ヨーロッパ貿易という輸入子会社を傘下に持ち、商社を介さずに直接輸入できる強みを持っていたからだ。

1000円を切る価格にこだわった

大ヒットにつながった要因はいくつかある。1つは、すでに2018年ごろからスイーツの世界ではピスタチオブームが広がっていたことが挙げられる。ディーン&デルーカのピスタチオクリームが売れ、昨年8月には東京駅構内にピスタチオスイーツ専門店ができていた。

もう1つは、従来製品に比べてリーズナブルなことだ。実は成城石井は、過去にもピスタチオスプレッドを扱ったことがあった。しかし、ボトルサイズは今回のものより二回りも小さいのに2000円ぐらいと高価だったことから、あまり売れずに販売を終了していた。

価格が高めになりがちなのは、「ピーナッツペーストやアーモンドミルクといったほかのナッツの加工品と比べ、市場に出回る量があまりにも少ないため、割高になっている」と坪井課長は話す。

坪井課長は今回、「1000円を超えた価格設定でもおかしくないという議論になったのですが、ギリギリのラインで設定しました。それは、ピスタチオ商品を定着させる基礎を、このスプレッドで作りたかったからです」と話す。ピスタチオスプレッドは賞味期限が製造から1年と、通常の輸入ジャムに比べて短いこともあり、価格を抑えることで商品の回転数を上げたい、という思惑もあった。

価格を抑えられたのには、前述の通り、自社で直接輸入していることにもよる。「自社で商社機能を持っていることにより、中間マージンを省いたり、スピーディに対応することができ、お値打ち価格に設定することができる」と、バイヤーの坪井課長は説明する。

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