京成マスコット「あのパンダ」はなぜ生まれたのか うつろな細い目がなぜか大人気、グッズも登場

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この判断は成功だった。「キモカワ(キモい=気持ち悪いけどかわいい)」などとして人気が高まり、女性誌などさまざまなメディアで取り上げられるように。グッズの販売を求める意見も京成電鉄に寄せられるようになり、デビューから半年が過ぎた9月には、グッズ第1弾として携帯電話のストラップが発売されている。

その後は京成カードだけではなく、京成グループ全体のマスコットキャラクターとして「君臨」するように。たとえば京成電鉄の車両では、ドア開閉の注意喚起ステッカーにデザインされている。2009(平成21)年からは、京成パンダのイラストで装飾したラッピング列車「京成パンダ号」が京成線で運転されるように。翌2010(平成22)年7月の成田スカイアクセス線開業時には等身大の着ぐるみも登場した。

京成パンダの「家族構成」とは?

京成パンダの人気上昇に伴い、いまではさまざまな「設定」が追加されている。

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京成カードのウェブサイト内にある京成パンダのページによると、「P-78星雲に浮かぶパンダ星を治めるパンダ王家の王子」とのこと。現在は動物園の飼育係をしており、京成沿線の公津の杜のマンションで一人暮らしをしている。

家族は父の「パンダ王」と母の「パンダ王妃」、叔父の「玉」など。幼なじみの「ハナちゃん」や、京成パンダが飼っている「パンダ犬」、「ハナちゃん」が飼っている「パンダ猫」もいる。

パンダ星で怠惰な生活を送っていたところ「パンダ王」に怒られ、修行のため地球にやってきた。パンダ星の王子として人々に感謝されることをしないと故郷に帰ることができない。過去に一度帰ったが、またダラダラした生活を送っていたために再度地球に出されたという。

草町 義和 鉄道プレスネット 記者

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くさまち よしかず / Yoshikazu Kusamachi

1969年新潟県南魚沼市生まれ。鉄道ニュースサイト『鉄道プレスネット』を運営する鉄道プレスネットワーク所属。鉄道誌『鉄道ファン』『鉄道ジャーナル』などでも記事を執筆。著書に『鉄道計画は変わる。』など。

 

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