山手線トラブルで見えた「乗客への案内」の問題点 最寄り駅や振替輸送に関する知識の充実を

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6月20日に山手線などで発生した運休トラブルから多くの教訓を得ることができる(写真:T2/PIXTA)

2021年6月20日夕方から夜にかけ、JR東日本の変電所漏電により、山手線や埼京線などが約4時間にわたって動かなくなるというトラブルがあった。列車によっては駅間で止まってしまい、乗客が線路を歩かねばならないというケースもあったようだ。

実は筆者もこのとき山手線に乗車していた。線路を歩くことになったわけではないが、影響を受けた1人なので、ことの顛末と、そのときに感じたことをつづってみたい。

最初は「少し遅くなる程度」と思ったが…

その日、筆者は「休日おでかけパス」を利用して千葉方面へ出かけ、復路に東京を17時20分頃発の山手線内回りで池袋へ向かっていた。田端までは順調に進んでいたのだが、田端で「山手線は運転を見合わせます」となり、「池袋、新宿方面へお越しの方は向かい側の京浜東北線に乗り、赤羽から埼京線か湘南新宿ラインをご利用ください」ということで、京浜東北線に乗車した。筆者は「少し池袋到着が遅くなるな」くらいにしか考えていなかった。また、この時点では止まったのは山手線だけであったようだ。

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赤羽駅で埼京線の新宿行きに乗車したのだがなかなか発車しない。「この駅で時間調整します」とのアナウンスだったが、「埼京線は運転を見合わせますのでしばらく停車します」というアナウンスに変わった。隣のホームの湘南新宿ラインも発車の気配がないので、同じ状況なのだなと思った。

しかし、程なくすると「間もなく運転再開予定です」という車内放送があったので一安心、筆者は「そのまま山手線に乗っていたほうが楽だったかな」とも思ったほどであった。ところが情報は一転、「再び電力供給が止まったとの連絡で運転を見合わせます」という案内に変わり、さらに「この電車は大宮行きに変更になりますので回送電車になります。ホームでお待ちください」となってしまった。

上り電車の運転を打ち切って下り電車に折り返しさせるということは「しばらくは動かない」と思い、筆者は赤羽駅周辺で1時間弱、買物をして駅へ戻ることにした。「休日おでかけパス」利用なので改札の出入りは自由にできる。

次ページなぜか駅では「東京駅へ戻れ」という案内が
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