「中国は敵、米国は味方」の認識があまりに浅い訳

自民党の異端議員が説く中国と正対する方法

先端技術をめぐる米中の争いは日本に大きな影響をもたらす(デザイン:杉山未記)
経済安全保障の議論がにわかに高まってきた。アメリカとの同盟関係を強化することで台頭する中国を封じ込めるとするのが基本戦略だ。
だが、自民党の中には「アメリカは味方、中国は敵という前提でいいのか?」と問題提起する議員もいる。安倍内閣で財務副大臣を務めた古川禎久衆議院議員(宮崎3区、当選6回)だ。
『週刊東洋経済』6月21日発売号は「全解明 経済安保」を特集。政官挙げての経済安保推進に戸惑う民間。そして日本企業が取るべき進路を探っている。
著しい経済成長力を武器に中国は覇権主義の色合いを強めている。アメリカの力に頼らず、どうやって中国と正対するのか。古川議員は「覇権主義は必ず破滅を招く。日本の失敗と反省を中国と共有したい」という。
その意味するところは何か。本人に聞いた。

経済安全保障は平時から準備しておかなければならない

――経済安全保障の議論が自民党内で盛んです。

日本を産業立国たらしめてきたのは世界に誇るものづくりの技術だ。その技術を不当に盗もうとする動きがあれば対処するのが当然だ。

国民生活、経済活動を維持していくためには途絶えさせてはならないものがある。エネルギーであり、食料や医療もそうだろう。これらの領域はできる限り輸入に頼らず、わが国みずからの努力によって強靱化していく戦略が必要だ。一方、国際社会において「日本の技術がないと回らない」と言われるような日本特有の技術、産業も持っていなくてはならない。

だが、こうした対応は他国の動きがどうという以前に、平時から考え抜き、体制を築いておかなくてはならない話だ。私は自民党の衆議院議員だが、今起きている経済安全保障の論議には、いささか疑問を抱いている。

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