ワークマン、成長に欠かせない「新業態」の使命 「プラス」出店からわずか2年で女子業態を開始
6月17日、千葉県流山市に開業した「#ワークマン女子」(以下、ワークマン女子)の南柏店。作業服やアウトドア・スポーツウェアの専門チェーン、ワークマンが開発した新業態だ。これまでワークマン女子はアンテナショップ的にショッピングセンター(SC)内で展開してきたが、路面店としては初出店。本格的に多店舗化に打って出る。
男性用も売っている「ワークマン女子」
店舗に入ると、まず親子3人のマネキンとワークマン女子のオリジナルキャラクター「わくこ」の1メートルほどの人形が目に飛び込んでくる。白を基調とした内装と暖色系のスポットライトによって落ち着いて商品を見られる雰囲気だ。
特徴的なのは「ママ楽」と名付けた試着室。中には子どもが遊べる壁掛けパネルがあり、子連れでもゆっくり試着ができるようにした。店内の床や鏡には数多くのイラストが描かれており、至る所に撮影スポットがある。SNSによる発信を増やす仕掛けだ。
ワークマンの土屋哲雄専務は、「これから子どもを持とうとする女性や、第一子の子育て世代を最大のターゲットとしている」と話す。作業服で培った同社の独自商品(PB)の最大の売りは機能性。子育て世代には、そうした同社の商品の特性が受け入れられやすいと読む。実際、PB「滑りにくい靴」は妊娠した女性の間で人気を博し、同社のPBが一般客に認知されるきっかけの1つになった。
先行してSCで展開するワークマン女子では、女性客の割合が約8割に達した。それによって売れ筋商品にも変化がみられる。現在、同社では「エアロストレッチクライミングパンツ」などのストレッチ素材、速乾、UVカット等を搭載した機能性パンツが好調だが、ワークマン女子では「ガウチョパンツ」などデザイン性の高いパンツや撥水機能のついたジャンパー、背中部分に絞りがあるワンピースなどが人気だ。
他方、南柏店の商品構成は、男女兼用(ユニセックス)が約6割、男女専用が各2割。つまり、商品の8割は男性向けでもある。家族での来店に加え、女性客には家族のまとめ買いのニーズがあるとの仮説があるためだ。
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