ジープ「新型コンパス」が負う日本での重大任務 戦略的価格で登場したマイナーチェンジの狙い

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スポーツでは、新たに「オートヘッドライト」や「リアディープティンテッドガラス」「ブラインドスポットモニター/リアクロスパスディテクション」「Parkviewリアバックアップカメラ」が標準装備に。

ロンジチュードとリミテッドには、フロントカメラが道路標識を読み取り、必要に応じてドライバーに通告する「トラフィックサイン・レコグニション」や、自動的に法定速度を認知し走行速度を制御する「インテリジェント・スピード・アシスト」、信号待ちなどでブレーキペダルから足を離しても停止状態を維持する「オートブレーキホールド」が装備される。

各種情報が表示される新装備のデジタルメータークラスター(写真:FCAジャパン)

最上位グレードであるリミテッドには、さらに車両周りの状況を車内のタッチスクリーンに映し出す「サラウンドビューカメラ」、ドライバーの注意力低下や無反応を検知して警報を発する「ドライバー・アテンション・アラート」を搭載。加えて、「ヒーテッドステアリングホイール」や「ハンズフリーパワーリフトゲート」「ヒルディセントコントロール」も装備されるなど、使い勝手と快適性に寄与する装備がプラスされる。

若い世代の「ジープ入門車」として

新型コンパスの価格(税込み)はスポーツが346万円、ロンジチュードが385万円、リミテッドが435万円。従来モデルから1万~10万円のアップとなったが、装備の充実度を考えれば、価格上昇は最小限に抑えられたといえるだろう。

ボディカラーは全グレード4色設定。なお、エンジンは全車が2.4リッターガソリンとなる(写真:FCAジャパン)

特にスポーツは、25万円相当の新装備を追加しつつ10万円アップの上昇にとどめた戦略的な価格となる。ヘグストロム氏によれば、この価格設定は若い人たちに向けたものだという。

「コンパスは、クルマ離れといわれる若い世代のアクティブファミリーに人気があり、購買者の平均年齢は42歳と、同等のSUV購買層の平均年齢と比べると9歳も若いのです。この世代は、このコロナ禍で、安心安全に自然の中に遊びに行くことができる交通手段をもっとも必要としている世代。ジープは仕事にも遊びにも同じくらい真剣な、アクティブな若い世代にも手が届く価格帯を実現しました。これにより、さらに若い方がジープファミリーに入ってきてくださることを願っています」

300万円台からといえば、トヨタ「RAV4」やスバル「フォレスター」、マツダ「CX-5」などとも比較検討できる価格帯だ。さらなる激戦が予想されるコンパクトSUV市場で、戦略的な価格設定のコンパスがどのような健闘を見せるのか。コロナ禍でのジープの快進撃の行方も含め、楽しみである。

先川 知香 モータージャーナリスト

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さきかわ ちか / Chika Sakikawa

初めて見たバイクレースでマシンをバンクさせながら膝を擦って進入していくコーナリングを自分もやってみたいと思ったのをきっかけに、マシンを操ることの面白さを知り、その面白さを多くの人に伝えるべくモータージャーナリストを志す。現在の対象は2輪から4輪までと幅広く、Web や紙媒体で執筆中。愛車は Kawasaki Z250 とGASGAS、TOYOTA86 MT 仕様。休日は愛車でのサーキット走行やトライアルにも挑戦中で、公私共に乗り物漬けの日々を送る。

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