五輪延期で引退「世界一」選手のセカンドキャリア アスリート経験を活かし引退後2カ月で即起業

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外村さんが小学生で初めてスランプに陥ったとき、それを乗り越える方法や、方法の見つけ方を教えてくれる人は周りにいなかった。

個人の悩みや要望にしっかり耳を傾け、乗り越える方法を一緒に考えてくれる誰か。かつての自分が切望した人に、外村さんはなりたかった。

アスリートのメンタルの鍛え方を応用

ある日、ビジネスコーチングの存在を知った。ビジネスコーチングとは、対話を重ねることを通して、クライアントが目標達成に必要なスキルや知識、考え方を備え、行動することを支援するプロセスのこと。

ここ数年、ビジネス界で急速に注目が高まり、多くの企業が社員教育にコーチングを導入している。ヤフー株式会社の成長を支えているとされる有名な「1on1ミーティング」も、広義のコーチングと言っていいだろう。

(写真:赤澤昂宥)

カウンセリングともコンサルティングとも違い、質問や傾聴によって相手が目標達成するための気づきや行動変容を引き出すコーチングは、まさに外村さんがやりたかったことそのもの。注目されているぶん有象無象が参入している分野でもあったが、自分は10代の頃からセルフコーチングをしてきた自信がある。

「これだ、と思ってコーチングについて調べたところ、認知度が高いだけあり、すでに理論が体系化されていました。それはありがたかったですね。コーチングについて学べるスクールもあったので、引退してすぐに通いました。

ライバルも多いし、簡単にうまくいくビジネスだとは思っていませんが、世界一を経験したコーチはほかにあまりいないだろうと(笑)。僕が実践してきた好きなことを突き詰める姿勢、困難に対する解決策の見つけ方などを伝え、あらゆる業種・職種で働く人たちをサポートしていきたいです」

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