日経平均は本当に「下げ止まった」と言い切れるか 「2000円超もの下落」は決して無駄ではなかった

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日経平均が、ハイテク株の影響の大きい指数であることは、台湾加権指数の下げも激しかったことで理解できる。

それ以外で、何か変わったのか。日銀は5月14日に「日本における需給(流動性)相場の象徴」であるマネーストックM3の4月の数字を発表したが、前月比18.6兆円増の1508.2兆円(平残)と、過去最高の残高となった。

この数値は、昨年3月のコロナショック直後の異常ともいえるコロナ対策の資金供給量並みといっていいほどだ。昨年はこの時期、3カ月間で増加したM3は60兆円以上にも及び、2020年6月の平残は1440兆円を超えていたほどだ。

しかしM3はその後も増え続け、ついに2021年4月現在では1508.2兆円と過去最高になっている。これは日本の需給(流動性)相場はまったく変わっておらず、さらに拍車がかかっていることを意味している。

「業績相場の基本」企業業績はどうなっている?

一方、投資家の行動をフリーズさせていたのが10~14日に集中していた企業の決算発表だった。結局は、コロナの影響が長期化、今2022年3月期の見通しを出さない企業や減益企業は少なくなかった。

良好な決算を発表した企業に対しての株価の反応も総じて厳しく、投資家のセンチメントは著しく低下していた。しかも、市場の大方の予想は「たとえ今期予想が増益でも、5月の時点ではかなり保守的な予想を出してくるはずだ」というものだった。

しかし、結果はまったく違うものだった。日経平均の今期予想EPS(1株当たり利益)はゴールデンウィーク前の4月28日の1367円からどうなったか。5日間の推移を順に示すと、10日1597円→1609円→1685円→1907円→1950円で、予想以上の急上昇となっている。

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