アウディA3全面改良!形以上に変わった中身 サスティナブル時代に向けた小さな高級車の形

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2.0 TFSIエンジンは最大1.8barの過給圧(相対圧)のターボチャージャーと350barの燃料噴射が備えられ、最高出力310ps、最大トルク400Nmを発揮。トランスミッションは7速Sトロニックで、電子制御式油圧多板クラッチが用いられたクワトロ4輪駆動システムが組み合わされている。

サスペンションは、40 TFSIと同じくフロント:マクファーソンストラット式、リア:ウィッシュボーン式だが、車高は15mm低められ、オプションで電子制御式のダンピングコントロールサスペンションを選択することも可能だ。

「プレミアムモビリティの未来」を見せられるか?

価格(消費税込)は、A3スポーツバックが310~483万円、A3セダンが329~502万円。S3スポーツバックが642万円、S3セダンが661万円。ベースモデルことゴルフとオーバーラップする設定だが、上級グレードになると上位モデルの「A4」のエントリーグレードを超える。

アウディ「A4」は447万円から(写真:Audi Japan)

新型モデルの導入を記念して用意された「1st edition」も発売され、価格はそれぞれ30 TFSI advancedをベースに装備を充実させたA3スポーツバックが453万円(375台限定)、A3セダンが472万円(同125台)、S3スポーツバックが711万円(同125台)だ。発売開始は全モデルとも、2021年5月18日予定と発表されている。

自動車のサスティナブルな未来に向けて、クルマのデザインと開発を行っているアウディのブランドビジョンは、「プレミアムモビリティの未来を形づくること」。そして、このビジョンを、「未来は考え方ひとつ」というフレーズで表現していくとしている。

そんなアウディの描くサスティナブルでプレミアムなクルマの未来は、「特別感」を求めるアウディユーザーにどのように響き、どのように受け入れられていくのだろうか。また、メルセデス・ベンツ「Aクラスセダン」やBMW「2シリーズグランクーペ」といった後発のライバルも登場してきた中でどれだけ存在感を示せるのだろうか。

そこは、ユーザーがどれだけアウディの“ビジョンに共感できるのか”にかかっているのかもしれない。ユーザーの“考え方ひとつ”といえそうだ。

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先川 知香 モータージャーナリスト

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さきかわ ちか / Chika Sakikawa

初めて見たバイクレースでマシンをバンクさせながら膝を擦って進入していくコーナリングを自分もやってみたいと思ったのをきっかけに、マシンを操ることの面白さを知り、その面白さを多くの人に伝えるべくモータージャーナリストを志す。現在の対象は2輪から4輪までと幅広く、Web や紙媒体で執筆中。愛車は Kawasaki Z250 とGASGAS、TOYOTA86 MT 仕様。休日は愛車でのサーキット走行やトライアルにも挑戦中で、公私共に乗り物漬けの日々を送る。

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