「ワクチン接種」の前に女性に知ってほしいこと ワクチンに関する懸念点を専門家に聞いた
しかし、ワクチンが乳房X線撮影像に与える影響は、放射線技師が懸念することになりうる、と彼女は付け加える。その理由は「患者が乳癌を発症していれば、その場合もリンパ節腫脹ができていると判断することもある」からである。
この種の腫脹は、癌の兆候であると誤診される可能性があるため、ブレストイメージング学会では、乳房X線撮影像の日程を決めてから、最初のワクチンを接種する、または少なくとも1カ月が経過してから、2回目のワクチンを接種するよう推奨している。
施術前後3日間はワクチン接種を避けよう
不妊治療患者はかかりつけの病院でワクチンのタイミングを調整すべき
アメリカ生殖医学会によると、採卵、胚移植、人工授精などの処置を予定している不妊治療患者は、施術前後3日間は新型コロナウイルスワクチンの接種を避けるよう推奨されている。
これは、外科手術を受ける患者が、発熱や悪寒などのワクチン関連の副作用を発症する可能性があり、術後感染症が発生しているかどうか、医師が判断しにくくなる可能性があるからだ。加えて、多くの医療機関は、症状がワクチンによる可能性が高く、新型コロナウイルス検査で陰性となった場合であっても、新型コロナウイルスのような症状が出ている患者を施設内に入れることを認めない可能性がある。
ワクチンの予約を何とか取ることができ、不妊治療を受ける予定がある場合には、外科手術や検査、治療の計画を立てられるよう、すぐに不妊治療担当医に相談してほしい。
タイミングの問題はさておき、ワクチンを接種することは正しいことだと専門家は言う。シカゴの生殖内分泌学者で、アメリカ生殖医学会COVID-19タスクフォースのメンバーでもあるシガル・クリップステイン医師は、現在までの安心できるあらゆる証拠に基づくと、不妊治療や妊娠に関しては、「ワクチンの安全性に懸念はない」と語った。
「妊娠中に新型コロナウイルスに感染した女性は、妊娠していない時に感染した女性に比べて、より重篤な病気になるリスクが高くなる」と、同医師は付け加える。