企業に対する好き/嫌いの度合いを示す「企業好感度」。消費者の購買行動に直結する指標であるだけに、重要視する企業は多い。そこで今回、東洋経済では「企業好感度の高い企業トップ300社」のランキングを、JNNデータバンクと協力し作成した。
「第77回JNNデータバンク定例全国調査」(2020年11月実施)を基に、日本人になじみのある企業・ブランドについて、「好感を持っている」と回答した割合を「好感度」とし上位300社を発表する。
同調査は、TBSテレビをキー局とする全国28社のテレビ局(JNN系列)が1971年から毎年共同で行っているライフスタイル調査だ。調査対象は13~69歳の男女7400人。訪問留置法という、調査員が対象者宅を訪問し、アンケートの記入依頼を行い、後日回収する調査方法を用いている。
今回もセブン-イレブンがトップ
今回の調査では、1位がセブン-イレブン(42.9%)、2位が無印良品(40.2%)、3位が日本マクドナルド(36.9%)となった。
1位のセブン-イレブンはこれまで、2019年2月に24時間営業をめぐる問題が表面化し、その後スマートフォン決済サービス「7pay」の大規模な不正利用があっても総合好感度トップの座をキープしてきたが、今回のコロナ禍でも変わらない結果となった。年代別で見ると、20代と30代と50代で1位を獲得している。
日本マクドナルドは前回の調査では、35位から5位まで大幅に順位を上げていたが、今回ついに3位にランクインした。コロナ禍で多くの外食チェーンが苦境に立たされる中、デリバリーやテイクアウトの需要を取り込み絶好調。年代別では10代で1位、20代で2位、30代は3位、40代4位と、幅広い層から人気を得ている。
トップ10に入った企業で大きく順位を上げたのは、8位の任天堂(31.0%)で前回の20位からジャンプアップ。2020年3月に発売したニンテンドースイッチ向けのソフト『あつまれ どうぶつの森』が、巣ごもり消費を追い風に大ヒットし、好感度の上昇に寄与していると考えられる。
また7位のニトリ(31.2%)も前回の16位から大きく順位を伸ばした。外出自粛や在宅勤務の拡大により、家具やキッチン用品などの需要が高まったことが奏功しているようだ。
ただ、今回新たにトップ30入りを果たしたのは味の素の1社のみ。トップ30圏外に転落したのはブリヂストンだった。つまりトップ30のうち29社は前回と同じ顔ぶれということになる。
新型コロナウイルスの感染拡大によって、消費者の企業やブランドに対する見方に変化の兆しは出てきたが、調査時点では「激変」までには至っていないようだ。
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