アマゾンが出版大手アシェットに協議の加速迫る、電子書籍で対立 著者が売上金の100%を取得できるとする案を提示
[サンフランシスコ 8日 ロイター] - インターネット小売り最大手の米アマゾン・ドット・コム<AMZN.O>は、米出版大手アシェット・ブック・グループの出版物をめぐる契約上の対立について、解決するまで著者が電子書籍の売上金の100%を取得する案を提示し、協議の加速を迫った。
仏メディア大手ラガルデールSCA<LAGA.PA>傘下のアシェットは8日、この提案を拒否した。アシェットはアマゾンに対し、アシェットの書籍に対する「制裁措置」を直ちに解除するよう求めたが、アマゾンは「ばかげている」と応じた。
両社の争いの中心は電子書籍の価格。対立をめぐりアマゾンは今年に入ってアシェットの複数の出版物の出荷を遅らせたほか、「ハリー・ポッター」シリーズの作者J・K・ローリング氏がロバート・ガルブレイスの名前で執筆した小説「シルクワーム」の予約注文をできないようにしたこともあった。
アマゾンの措置をめぐっては、ベストセラー作家のジェームズ・パターソン氏らが公然と批判するなど、作家らが同社から離れる動きが出ている。
アマゾンは複数の著者やエージェントに最新の提案内容を記した書簡を送付。「われわれが販売するアシェット関連の電子書籍すべてについて、アシェットの著者は売上金の100%を取得する。アマゾンとアシェットは合意に達するまで、ともにすべての収入と利益を放棄する」とした。
通常、アマゾンとアシェット、著者は合意した一定の比率で電子書籍の販売収入を分け合っている。
書簡ではまた、「アシェットが交渉のテンポを大幅に変えない限り、非常に長い時間を要することになる」と警告した。
アマゾンは書簡で、アシェットが提案に同意すれば、手持ち在庫の水準や全ての形式の書籍の価格設定を通常に戻し、発売前の書籍の予約注文を再びできるようにするとしている。
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