ちなみに、現行5008が日本で発売されたのは2017年9月で、わが国での3列シートSUVのベストセラーであるマツダ「CX-8」と同じだが、フランスでのデビューはその1年前だから、プジョーの先見性を教えられる。
2008のキャビンを見てみると、先代/現行ともに208との共通部分が多い。しかし、スペースは208と大差がなかった先代に対し、現行型は明確に広くなり、身長170cmの筆者なら後席で足が組めるほどになっている。
ラゲッジスペースの容積も434リッターと、先代から74リッター拡大。面白いのは上下2段階にセットできるフロアパネルで、両脇の壁面にストッパーがあり、フロアパネルをこのストッパーの上まで持ち上げれば、斜めに固定される。フランスらしい創意工夫だ。
EVやPHEVで「電動化」にも積極的
3008は、先代からハッチバックの308とは異なるインテリアを持っていた。インパネ中央に並ぶピアノタイプのスイッチと、センターコンソール助手席側のアシストグリップは、308にはない遊び心を感じさせたものだ。
現行型はこのモチーフを受け継ぎつつ、小径ステアリングの上から遠くに置かれたメーターを望む「iコクピット」の導入に合わせて、エッジの利いたラインでつなげている。ドライバーを囲むような空間に仕立てられた、かなり大胆な造形だ。
3008のキャビンは、長さを強調した2008に対し、高さ方向の余裕を感じさせる。5008は2列目のシートが3分割のセパレートタイプで、前後スライドとリクライニングが可能。最後方にスライドすれば楽に足が組める一方、前寄りにセットすれば自分の体格でも3列目に不満なく座れる。
しかも、運転席以外はすべて折り畳み可能で、最大で1862リッターものラゲッジスペースが得られるのだ。バカンスの国らしい実用性へのこだわりだといえる。
近年のプジョーは電動化にも熱心で、2008には電気自動車の「e-2008」を用意し、3008はマイナーチェンジでプラグインハイブリッドの4WD仕様が加わった。自動運転レベル2に相当する先進運転支援システムも、筆者が確認した限りでは、水準以上のレベルに到達している。
メカニズムがほぼ横並びになったからこそ、SUVらしい存在感とフランス車ならではの洗練を兼ね備えたデザインが光る。そう感じる人は今後も増えていくのではないだろうか。
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