「自己肯定感が低い人」が見落としている視点 等身大の自分で力を発揮するために必要なこと
事実と解釈に距離があるのは、等身大の自分と向き合ったことがない、あるいは受け入れられていない可能性が高いです。等身大の自分に直面し事実を明らかにしたら、ダメな自分に落ち込むかもしれません。でもそれは自然なことで、落ち込むことが間違いなわけでもありません。
成熟した大人は、自分のいいところもダメなところも把握した上で「選択」できます。ダメな自分も受け入れた上で「こうありたい」を選べる力が、本当の「強さ」なのです。
強さを手に入れるには、メンタルを鍛えなければと思いがちです。しかし目に見えないメンタルを自分で鍛えるのは、とても難しいのが現実でしょう。だから私は、「こんな私が好き」と思える態度や行為を選ぶことをおすすめしています。
人は空を見上げながら悩むことができないように、行為や行動、態度は心に強く影響します。「こんな自分が好き」という行為の選択は、目に見えない情緒的成熟を確実に後押ししてくれるのです。
「自分軸」を知るために必要な「自分像」とは?
あなたは普段、自分のことをどんな人だと思っていますか?
日々の行動や選択を判断する拠り所となるもの、それが「自分像」です。「こんな自分が好き」という軸で選択するためには、自分を深く理解しておく必要があります。すなわち「自分像」について考えておくことは大切です。
自分像は過去の記憶から作られるもので、断片的な記憶を自らがつなぎ合わせて「私はこういう人間だ」と自分で決めている像にすぎません。
だからネガティブな人は記憶もネガティブな傾向があります。事実、過去につらいことが多かったのかもしれませんが、それを乗り越えていまに至っているという成功体験にはフォーカスせず、「つらかった」というネガティブな記憶で自分像を作ってしまいがちです。
そして恐ろしいことに、人の無意識には自分像と現実に一貫性を持たせようとする作用があります。ネガティブな自分像をそのままにしていると、現実に起こることまで自動的にネガティブになっていく可能性があるのです。