東京で物件100億買った男、今は大阪に夢中な訳 激しい競争を生き抜く金融機関の驚く行動
金融機関が強ければ、借り手側も強烈だ。
「大阪の金融機関は、最初はみんな金利が高いです。ただ、競争が激しいからすぐに安くしてくれますよ。うちも1%以上で借りている融資はないです」(大阪の不動産会社)。
東京では御法度の金利コンペも大阪ではよくあるようだ。しかし、金融機関も黙ってはいない。金利競争に巻き込まれないために、他行借り換えにはペナルティー5%の特約で応戦している。
「なんとしてでも1件だけは決めて、かたち(融資実績)作りましょ。うちの金利が高いのはわかってるんで、こんなこというのもあれですけど、そのうち他行に借り換えてもらっても構いませんので……」
信金の担当者の、結果にコミットする姿勢は気持ちがよい。東京では、ここまで熱心な担当に出会えることは多くないだろう。大阪の金融機関は、生き残りをかけて厳しい自由競争のなかを泳ぐ民間企業そのものだ。
不動産に特化した信金・信組がある
大阪で不動産投資をはじめるに際して、知っておくと役に立つルールがいくつかあるので紹介したい。
まず、大阪には、東京には存在しないタイプの不動産特化型の信金・信組が多くあることを知っておくといい。不動産に特化するあまり、店にATMを置かない、ネットバンキングがない、振込手数料が1件1000円を超えるなど筆者を驚かせた金融機関もある。
どの金融機関がそれに該当するのかは割愛するが、大阪の不動産業者に聞けば誰でも知っているはずだ。いずれも金利は高いが柔軟性も高い。また、担当者が非常に熱心である。まずは、これらの不動産特化型の信金信組で実績を作り、そこから広げていくのが確実だろう。地銀は四国系地銀の大阪支店などが積極的だ。
そして、最終的には、大阪地盤の三井住友、関西みらいなど大手銀行などにたどり着ければいいだろう。東京の個人投資家にはハードルの高い都市銀行系も、大阪ではゆっくり話を聞いてくれる可能性がある。
また、東京よりも売主が協力的かもしれない。融資が出なければ売主に金融機関の紹介を相談することも許される風土であることも頭の片隅に入れておくといいだろう。
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