欧州復興基金に狙い定めるイタリアン・マフィア コロナ禍で資金難に陥った企業に潜入を開始
犯罪組織も一般企業と同様、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)が引き起こした経済危機に苦しんでいる。しかし、イタリアのマフィアはすでに、大金を手にするべく布石を打っている。
イタリアの組織犯罪捜査当局の責任者を務めるマウリツィオ・バローネ氏によると、マフィアは昨年に各国が新型コロナ対応のロックダウン(都市封鎖)で身動きが取れなくなっていた時、欧州連合(EU)の復興基金などからの資金吸い上げを狙って資金難の企業に潜入し始めた。こうした資金は今年中に経営不振の企業に行き渡り始める。
合法的企業への足掛かりを得ようと動く
シチリア島の「コーサ・ノストラ」のような犯罪組織は、環境やデジタル分野など、EU復興基金を最初に手するであろう合法的企業への足掛かりを得ようとしているという。
2日にローマ市内のオフィスでブルームバーグの取材に応じたバローネ氏は「マフィアは復興資金の申し込みに最も適した企業を選んでいる。特に、多額の資金が投じられるであろう医療とインフラ分野だ」と指摘。「彼らが1ユーロたりとも手にしないようにしなければならない」と述べた。
原文:The Italian Mafia Is Targeting Europe’s Crisis Recovery Fund (1)(抜粋)
著者:John Follain、Alessandra Migliaccio
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