構想6年、敷地面積250坪「家具ありき」の家造り まずはLA、NY、パリなど世界中で家具探しの旅へ

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既成概念にとらわれることなく、自分の思いを犠牲にしない家造りを貫いた。もちろんその住み心地は「何の文句もありません(笑)」とのことである。

仕切りを取り払えば人間同士の壁もなくなる!?

この家の構造上の最大の特徴は、部屋の仕切りがないことだ。玄関、キッチン、リビング、ゲスト用のベッドスペース、書斎がひと続きになっている。ドアがあるのはR.K.さんの寝室とバスルームだけだ。

来客とともに。オーシャンズでもお馴染みの福岡のセレクトショップ「トラリ」。そのオーナーである錦戸正志さん(写真左)は、R.Kさんの長きにわたる友人であり、サーフィン仲間でもある(写真:OCEANS編集部)

「空間を仕切ると、その空間が独立した意味を持ってしまうと思うんです。例えばゲスト用の部屋を作ると、当然ながら客はそこを拠点としてしまう。キッチンを仕切ると、そこをいちばんよく使う人のスペースになってしまう。

そうではなく、誰もがどの場所でも楽しめるような家にしたかったんです」

ゲスト用ベッドは家のいちばん奥に置かれている。仕切りのない作りが開放的な雰囲気を醸し出す要因。また、思い立ったときに室内の模様替えがしやすいという利点もある(写真:OCEANS編集部)

実は取材日は3人のゲストが訪れていた。友人もいれば、今日初めてこの家にやってきた人もいる。皆それぞれの場所で寛ぎ、ときにキッチンやソファに集い、そしてまた思い思いの場所へと戻っていく。

ゆるくつながり、ゆるく離れる。この家の仕切りのない構造が、ゲスト同士の距離感をいい案配に保ってくれていたのだ。

(文/加瀬友重、写真/清水将之、山本雄生、川崎一徳)

HOUSE DATA
竣工:2016年
構造・規模:木造・地上1階
敷地面積:約250坪
建築面積:約50坪
設計:テトラデザイン http://www.tetradesign.co.jp
間取り:キッチン、ダイニング、リビング、ゲスト用スペース、書斎の広々としたワンルームと、寝室、バスルーム。敷地内にはプール、ガレージ、テラス。多種多様な植物をレイアウトした植栽は、横浜の植木商フルヤプランツによるもの。季節ごとのメンテナンスが欠かせないのだとか。
「OCEANS」編集部

メンズファッション&ライフスタイルの情報誌『OCEANS』は、 “37.5歳”をキーワードにした独自の切り口が支持を集め、2006年の創刊以来、多くの読者にご愛読いただいています。2017年1月にはデジタルメディアを大幅リニューアル。ファッションはもちろん、毎日の“オッサンライフ”をもっと楽しくするハウツー情報の配信だけでなく、「対話するWEBマガジン」をテーマに、スナップ、動画、イベントなども展開していきます。

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