米国債利回りの上昇を遮る障害が徐々になくなりつつある。
米国債利回りは長く続いたレンジを上抜け、新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)初期段階の水準を回復した。ワクチン接種の進展とビジネス再開の見通し、追加経済対策を前提とすれば、利回りはさらに上昇するとウォール街のアナリストの多くは予想する。
借り入れコスト上昇の脅威は、米株から新興国市場の証券に至るまでリスク資産に既にのしかかっている。ただこれまでのところ、金利上昇ペースが米連邦準備制度の当局者を警戒させている様子はない。
連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は今週23、24日に半期金融政策報告で議会証言を行う。パウエル氏が長期金利の急上昇に不安になっている兆しはないかトレーダーらは証言を注視することになるが、そうした手掛かりがなければ、リフレトレードが利回りをどこまで押し上げるか市場は考え込まざるを得ない。
アマースト・ピアポント・セキュリティーズのチーフエコノミスト、スティーブン・スタンリー氏は「パンデミック以前には、米国の10年国債利回りは1.6%前後で取引されていた。われわれがほぼその当時の経済状況に戻ろうとするなら、利回りがそれより低くなる理由はない」と指摘した。
スタンリー氏は、先週1.36%と約1年ぶりの高水準となった10年国債利回りが、年末には 2019年8月以降で初めて2%に達すると予測している。
原題:The Runway Toward Higher Treasury Yields Looks Free and Clear(抜粋)
著者:Liz McCormick、Daniela Sirtori-Cortina
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