損害保険は業界再々編でも収益力強化は道半ば、世界水準の厚い壁

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 3月には英保険大手のプルデンシャルが再建中で米AIGグループ傘下のAIA(アメリカン・インターナショナル・アシュアランス)を約3兆2000億円で買収。米国生保最大手のメットライフも、同じくAIG傘下のアリコ(アメリカン・ライフ・インシュアランス・カンパニー)を、約1兆4000億円で買収(アリコの総資産の約7割は日本支社のアリコジャパン)した。

いずれも現金と株式交換による買収だが、金額を見るとスケールの違いは歴然。株式上場で第一生命についた初値は16万円、時価総額約1兆6000億円。MS&ADもほぼ同等で、金額からするといつ買収されてもおかしくないレベルだ。それだけに、日本の保険会社が「国際戦略を強化する」と、いくら意欲を示したところで説得力を欠く。

かといって、ただ「守り」に徹していては、一向に成長戦略を描くことができない。今後、世界レベルでの生き残りに向け、攻守のバランス、その切り替えが経営戦略としていっそう重要性を増す。時価総額で海外大手とは大幅な開きはあるものの、明確な成長戦略をスピード感を持って実行する力が株価の評価にも表れてくる。

世界のトップ10入りを目指し海外展開を積極化したところ、その最中に欧米や中国の保険会社に買収され、結果、トップ10入りするといった皮肉なシナリオは非現実的ともいえまい。防衛策という観点から、現在も緩やかなつながりを持つ国内の生保と損保で、垣根を越えた次なる再編が起きる可能性はある。いわば今回のメガ化は序章。真の「グローバル化」を目指すうえで、越えるべきハードルがまだまだ多く待ち構えている。

(木村秀哉 撮影:梅谷秀司、田所千代美、吉澤菜穂/アフロ =週刊東洋経済2010年4月17日号)

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