菅首相、長男の接待疑惑「森友以上」の深刻度 不祥事が政権危機につながるボディブローに

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『週刊文春』によると、2020年10月に東京・日本橋の高級料亭で、映像制作などの事業を手がける東北新社の二宮清隆社長らが、総務省内で次の事務次官の呼び声が高い谷脇康彦総務審議官を接待。同社が数万円の食事代を負担し、手土産やタクシーチケットも渡すなど、国家公務員倫理法違法の疑いがある接待をした。

同席した正剛氏の肩書は、同社の趣味・エンタメコミュニティ統括部長とされた。同社は都内に本社を置き、基幹事業の1つが衛星放送事業。総務省は電波法に基づき放送の許認可を行っており、同省幹部が衛星放送を手がける会社の社長らから接待を受けた事実が認定されれば、国家公務員倫理規程違反で懲戒処分の対象となる。

総務省幹部を野党が厳しく追及

立憲民主など主要野党は色めき立ち、4日の衆院予算委で菅首相を追及。当初は言を左右にしていた菅首相も、長男と電話で話したことを結局は認め、「調査にしっかりと対応するよう伝えた」と防戦一方となった。

ただ、違法行為かどうかについては「総務省はしっかり対応する」と述べるにとどまり、「長男はコネ入社したのでは」との追及には「息子とは別人格。民間人で家庭もありプライバシーもある」と逆切れしたように反論した。「(首相の)世襲反対との信条にも反する」との指摘にも、「私は、息子を後継者にする気はまったくない」とかわした。

2020年秋から冬にかけて正剛氏らは、谷脇、吉田眞人両総務審議官のほかに、秋本芳徳情報流通行政局長と湯本博信官房審議官の4人をそれぞれ接待したとされる。野党側の要求で秋本、湯本両氏が参考人として招致され、野党側の厳しい追及を受けた。

両氏や原邦彰総務省官房長らは当初、会食の事実は認めたものの、「調査中」を理由に詳しい説明を拒否し続けた。しかし、8日の衆院予算委で主要野党が審議をボイコットすると、金田勝年委員長(自民)の指示もあって、再開後に対応を一変させた。

事実上の接待会食だったことを認めたうえで、会食時には「東北新社の事業が話題にのぼった記憶はない」(秋本氏)、「(東北新社の事業が)話にのぼったことは一切なかったと記憶している」(湯本氏)などと釈明した。

さらに、正剛氏も参加した会食は「2015年以降」とし、頻度は「おおむね年1回」だったなどと、長期間継続していたことを認めた。

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