北陸新幹線の呼び名をめぐる、沿線の温度差 東京は「E7系」、金沢は「W7系」、富山は?
新幹線ブームの理由は、単に新幹線が好きだからというだけではない。新幹線開業後は東京―金沢間が現行より1時間20分早い、2時間30分程度で結ばれる。石川県は2015年度の首都圏からの入り込み客について、現在の倍となる500万人を目標にしている。
とりわけ、県外からの観光客による消費増大の期待は大きく、首都圏への買い物客流出といったマイナス要因を差し引いても、年121億円の経済効果がある、と県はソロバンをはじく。効果を最大限に享受するべく、2013~2017年度の5年間でPR活動に計10億円を投じる。
全国の整備新幹線に詳しい青森大学の櫛引素夫准教授によると、「首都圏との時間短縮効果の大きさや観光地としてのブランド力から開業効果は高いと見込まれ、その分、金沢市民の期待感は富山や上越地域よりも高い」と語る。
ブームの意外な影響
金沢の新幹線ブームは、新幹線の呼び名にも影響を与えるかもしれない。
北陸新幹線の新型車両はJR東日本とJR西日本が共同で開発した。JR東が保有する車両はE7系、JR西が保有する車両はW7系という系列名が付けられている。Eは東(East)、Wは西(West)を意味する。E7系とW7系の間に性能の違いはなく、外観も同じ。わずかにロゴがEかWかの違いくらいだ。
JR東のE7系は一足早く、今年3月15日に運行を開始した。東京―長野間を1日11~13往復しており、E7系という名前は、利用者の間ですっかり定着した。
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