「クラブハウス」今さら聞けない熱狂のカラクリ コミュニティ・マーケティング「伝道師」に聞く

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――Clubhouseは、かつて招待制で急速に広がった国産SNSのように、一過性で終わるのでしょうか。あるいは、ビジネスの「インフラ」として残るものになるのでしょうか。

熱烈なファンと化したユーザーが新しいコンテンツや使い方などを自分たちで次々と開発してコミュニティの魅力を高め、ユーザーが新しいユーザーを次々と獲得している現状は、コミュニティマーケティングの成長モデルである「Sell through the community」の典型と言えます。

だとすれば、今後コンテンツやユーザーがどういう方向に向かうかが、Clubhouseが一過性ブームで終わるかプラットフォームとして残るかを分けるでしょう。

残るシナリオ、終わるシナリオについて、私なりに予想してみます。

初期は有名人による価値の高いコンテンツが拡大を引っ張りますが、そのあとは一般の人々が主催する草の根的な集まりが継続的に生まれるかがポイントとなります。

多様なコンテンツが大量に生まれればアクティブユーザーが増えます。ユーザーが多ければ、手間をかけた質の高いコンテンツを提供しても元が取れます。質の高いコンテンツが話題になれば、新しいユーザーにリーチできます。YouTubeをイメージしてもらうとわかりやすいかもしれません。

このサイクルが回って新規ユーザー層の拡大が長く続き、既存ユーザーも使い続ければ、プラットフォームとしての地位を確立できるでしょう。

終わるシナリオ「粗悪なコンテンツやユーザーの増加」

――この数日でも状況は刻々と変わっています。

招待も概ね行き渡って飢餓感も薄れてきました。ユーザーが増えれば参加者もコンテンツも多様化します。駄話を垂れ流すだけのレベルのroomも増え、相互フォローによるフォロワー水増しを目的とした誰も話さないroomのような、本来の趣旨とは異なる使い方も目についてきました。

粗悪なroomが溢れれば真っ当なユーザが離れ、やがて廃れます。「悪貨が良貨を駆逐する」ということです。

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