独創的だけど「ちょっと残念」なレトロ家電9選 勉強時計に勉強用ファンで「成績も上がった」?

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回線不足を解決する夢のテレホン

発売:日東通信機・製造:岩崎通信機
両面ダイヤル式電話機
「ボース・ホーン」
昭和38年 9700円
『決定版 増田さんちの昭和レトロ家電』より

1つの電話機にダイヤルが2つ、机をはさんで両方からダイヤルできるという「ボース・ホーン」。もちろん電話をかけられるのは1回線だけです。当時は電話回線が少なく、また回線を申し込んでも希望者が多く、すぐに引くことができなかったことから、このようなアイデアが生まれました。

主に新聞社やテレビ局などで使われたそうです。しかし使う際、一方の人はコードの位置の関係で右手に受話器を持ち、左手でダイヤル……という図になってしまい少々使いにくそうです。発想はとても面白いのですが、そんな理由からかヒット商品とはならなかったようです。

家族みんなで暖かい

日立
テーブルこたつ(万能型)
KC-51 昭和35年 2800円
『決定版 増田さんちの昭和レトロ家電』より

これ1台で掘りごたつ、勉強机やテーブルの下に置いて足温器……、いろんな使い方ができるということで“万能型”と称しました。

昭和30年代、それまでの畳に座る生活から、いすに座る生活も増え始めました。「椅子とテーブルによる最近の生活様式にマッチしたものとして昨年大好評を博した日立独自の製品」(『日立ファミリー』昭和36年10月)と、好評だったようです。

テーブルを囲んだ皆が、このテーブルこたつに足をのせて談笑する図は、多人数用足温器。今なら、さしずめ“電気足湯”って趣です。

増田 健一 レトロ家電コレクター

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昭和38年、大阪・千林でカメラ屋の長男として生まれる。昭和57年国鉄に入社、車掌や運転士として従事。昭和30年代のレトロ家電や雑貨に魅せられ収集を始める。平成14年JR西日本を退社。古道具店の店員を経て、現在も会社勤めのかたわら収集の毎日。平成23年から大阪市立住まいのミュージアム特別研究員。大阪、東京などでコレクション展や講演会を開催し、いずれも好評を博している。

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