ネット炎上「少数の意見」が社会の声に見える訳 一部の「極端な人」が何度も執拗に書き込む
加えて、最近では「メディアが炎上を作り上げている」とも指摘される。どういうことか。国民的アニメであるサザエさんの事例を見てみよう。
2020年4月の『サザエさん』放送において、磯野家がGWにレジャーに行く計画を立てたり、動物園を訪れたりしたという内容が流れた。これに対し、「デイリースポーツ」が報じたところによると、「コロナで自粛の中、GWに出掛ける話なんてサザエさん不謹慎過ぎ!」などのツイートがされ、炎上したというのだ。
そしてこれが報じられると、今度は批判に対する批判の投稿が相次いだ。「フィクションまで自粛しろというのか」「世の中息苦しい」などの声が多く投稿され、著名人も苦言を呈した。
「不謹慎」と批判していたのは11人
しかし、東京大学准教授の鳥海不二夫氏がツイートを分析した結果、なんと、サザエさんが放送されてから最初にメディアで取り上げられるまでの数時間で、「不謹慎だ」と言って批判していた人は「たった11人」しかいなかったらしい。
たった11人の批判で炎上が発生し、さらにその炎上に対する批判がこれほど盛り上がるというのは、不可解な話だ。しかし現実にツイート数が急増していたことは、「ヤフー!リアルタイム検索」で見たツイート数推移からでも明らかである(図2)。
これを見ると、『サザエさん』放送時にはほとんど投稿されていなかった「サザエ 不謹慎」を含むツイートが、最初にメディアで報道されてから急増し、さらにその後インフルエンサーがそれらの記事に言及したことで、瞬く間に広まっていったことがわかる。
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