ドル建て日経平均株価を見るのが超重要なワケ 「普通の日経平均」よりずっと大事かもしれない

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ドル建ての日経平均株価は、今から31年前の1989年(平成元年)12月27日に273.06ドルという史上最高値をつけたいっぽう、2004年4月28日には63.16ドルで大底をつけた。

その後は、2009年3月10日71.50ドルの2番底から上昇に転じた。その後、2020年のコロナショックで同3月19日に149.52ドルまで急落したものの、その後は急騰を続け、ついに2021年1月13日に273.91ドルと、31年ぶり史上最高値を更新している。

ちなみに同日の円建て日経平均株価は2万8456円で、1989年12月29日の最高値3万8915円まで1万円以上の上昇が必要だ。率にすればまだ27%安いままだ。

では為替レートはどうだっただろうか。1989年12月27日のドル円は1ドル=142.10円。最高値を更新した2021年1月13日は1ドル=103.89円で、約27%円高になっている。すなわち、ドル建て日経平均株価が史上最高値を奪還した原動力は、27%ほど円の価値が上昇したため(円建ての下落分を相殺した)、ということもできる。

「日経500種平均株価」は日経平均株価の先行指数?

さて、ここでもう1つ、別の重要指標である「日経500種平均株価」を見てみよう。同指標は東証1部の500銘柄で構成されているものだ。特徴は毎年1回、過去3年間の売買高、売買代金、時価総額をランキング化、上位500社を選び直していることだ。つまり、毎年大幅な入れ替えを行うことになるため、指数の連続性はあまりないと言える。

実は、この日経500種平均株価も1989年の12月29日に2406.47円という史上最高値をつけ、2009年3月10日に631.19円で大底を打ち、その後は上昇を続け、2020年9月28日に2430.70円と30年9カ月ぶりに史上最高値を更新している。

ここで特筆すべきは、日経500種平均株価には日経平均株価にはない有力企業も多く含まれていることだ。具体的には、設備投資関連で超精密センサー世界一のキーエンス(6861)、世界的な人気ゲーム機がコロナ過でも好調な任天堂(7974)、精密小型モーターから電気自動車用モーターまで展開している日本電産(6594)、電子部品関連でセラミックコンデンサー世界首位の村田製作所(6981)などが真っ先に挙げられる。

もちろんこれらだけにとどまらない。順不同で挙げると、家具・インテリアの大手小売りのニトリホールディングス(9843)に加え、HOYA(7741)、ユニ・チャーム(8113)、シマノ(7309)、MonotaRO(3064)、大塚商会(4768)、神戸物産(3038)、SBIホールディングス(8473)、良品計画(7453)、ファンケル(4921)、ネットワンシステムズ(7518)など、成長期待が高い銘柄をより多くカバーしていることで指数が押し上げられている。

日経500種平均株価がドル建て日経平均株価より3カ月半も早く史上最高値を付けた秘密は、リアルタイムの指標だけを見て機械的に銘柄を組み替えることが奏功しているとみるべきだ。

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