【産業天気図・家電・AV】リストラ等奏功で業績「晴れ」へ浮上、本格成長回復には新分野育成がカギ握る
10年4月~9月 | 10年10月~11年3月 |
家電・AV業界は2010年4月から1年間、終始「晴れ」となりそうだ。円高と製品価格の下落という懸念材料はあるものの、各社がリーマンショック後に取り組んだ一連のテコ入れ策が10年度はフル寄与。今後の業界テーマは足元の業績動向よりも、エネルギー関連など新分野育成による本格成長回復に移る。
経済産業省の生産動態統計によると、テレビ・車載機器など民生用電子機器の国内生産額は09年、前年比約2割減に落ち込んだ。だが09年12月、10年1月はいずれも、単月の生産額が前年同月比2割増に反転している。世界的な消費収縮で発生した在庫が一掃できた上、先進国の消費奨励政策や新興国の需要で、業界は回復基調に転じている。
家電大手3社の11年3月期業績の見通しは、パナソニック<6752>とソニー<6758>が前期の最終大幅赤字から黒字にV字回復、シャープ<6753>も中国への液晶パネル製造設備の売却益計上を前提に最終大幅増益となりそうだ(「会社四季報」春号予想)。リーマンショック後の消費不況を受け、10年3月期に各社は設備・人員リストラによる固定費削減、調達先企業の集約による部材費抑制、在庫管理強化によるキャッシュフロー創出など。たとえば最大手のパナソニックの場合、期末までに国内外40拠点を統廃合するなどした。