テスラの半分しか走れない「ホンダ新EV」の狙い 航続距離よりも都市部での日常使いを優先

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――ホンダeには新たな先進技術も多数搭載されています。

環境対策に加えて、2030年を見据えた車にすることを開発時の大きな目標とした。今回はコネクテッド(車のIoT化)分野でも、当社として世界で初めて採用する技術がいくつか搭載されている。例えば、タッチパネルなど5つのディスプレーを並べたインターフェースや、サイドミラーをなくして車載カメラで外部の様子を確認できる『サイドカメラミラーシステム』などだ。

インテリアは5つのディスプレーを水平配置するなど近未来的なつくりとした(記者撮影)

新技術を盛り込むことで、ホンダが描く未来のクルマを表現することにこだわった。車両価格(451万円~)を考えると簡単には買っていただけないモデルだが、環境意識や新しい技術に関心を持っている層をターゲットにできればと思う。

「いまのホンダは元気がない」という声も

――年間販売計画は欧州で1万台、日本で1000台と控えめです。

ここはやはりCAFE対応というのが第一にある。またEVは収益性が非常に厳しいことも事実なので、どんどん台数を売りましょうというスタンスではない。

――ホンダは欧州でなかなかシェアを上げられていません(2019年度販売台数は13.3万台で現地シェア1%)。それだけに、今回のホンダeで存在感をアピールしたいところです。

ホンダeの開発は、未来のクルマを提案しようというところからスタートした。「いまのホンダは元気がない」という声も聞くので、期待に対してもしっかり応えたいと思って、あらゆる要素に徹底的にこだわった。

先進技術をたくさん盛り込んだホンダeの投入によって、欧州でもホンダのプレゼンス、ブランド力を高められればと期待している。

横山 隼也 東洋経済 記者

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よこやま じゅんや / Junya Yokoyama

報道部で、トヨタ自動車やホンダなど自動車業界を担当。地方紙などを経て、2020年9月に東洋経済新報社入社。好きなものは、サッカー、サウナ、ビール(大手もクラフトも)。1991年生まれ。

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